映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2015-12-25から1日間の記事一覧

2015.12,3「ミケランジェロ プロジェクト」日比谷シャンテ

2015.12,3「ミケランジェロ プロジェクト」日比谷シャンテ とっても懐かしい映画だった。子供の頃洋画を見始めて、邦画とは違う、豪華で明るくてユーモアがあって心浮き立つ、それがアメリカ映画だった。見ながら僕は完全にアメリカ人になっていた…

2015.12.1「さようなら」新宿武蔵野館

2015.12.1「さようなら」新宿武蔵野館 一篇の映像詩と言ったら良いか、観る側は通常のエンタメ映画を観る時とは違ったモードで対応する必要がある。これも一つの映画的表現である。 原発事故で汚染され住むことを諦め国を上げて移住を決意した近未来…

2015.11.30「グラスホッパー」丸の内ピカデリー 

2015.11.30「グラスホッパー」丸の内ピカデリー ハロウィンの日、渋谷のスクランブル交差点で恋人(波留)が、秋葉原無差別殺人の様に突っ込んできた車に跳ねられ死ぬ。ひ弱な教師の男(生田斗真)が復讐を誓う。組織に潜り込む。色んな闇の住人たちが…

2015.11.20「MOZU」Tジョイ大泉

2015.11.20「MOZU」Tジョイ大泉 最近のTVドラマの映画化のパターン、ドラマの流れの延長としての映画なので、TVを観ていない者には解らない。初めからそのつもりで観た。登場人物のキャラクターは解っていることが前提で話は始まる。主人公(西島秀…

2015.11.15「FOUJITA」ユーロスペース  

2015.11.15「FOUJITA」ユーロスペース 映画とトーク付きの上映を観た。トークは音楽を担当した佐藤聰明と前島秀國(評論家)。 画家・藤田嗣治を淡々と描く。放蕩をつくしたバリ時代、帰国してからの戦意高揚画家の時代。ゆっくりとした流れ、台詞も…

2015.11.13「ターミナル起終点駅」丸の内TOEI  

2015.11.13「ターミナル起終点駅」丸の内TOEI 久々のメロドラマ。桜木紫乃原作。雪が深々と降る人気のない町、駅に佇む男と女、『駅 STATION』を思い出した。宇崎竜童/朝川朋之(『駅』の音楽担当)の音楽が流れてくるような気がした。 この映画の音…

2015.11.3 「アメリカンドリーマー」シャンテ

2015.11.3 「アメリカンドリーマー」シャンテ 原題は「A Most Violent Year」、1981年、NYが最もヤバかった年の話である。 1970~80年代の「ゴッドファーザー」といったところか、それも少しカタギ寄りの。 イタリアかヒスパニックか、どちらかの移…

2015.10.30 「ギャラクシー街道」Tジョイ大泉

2015.10.30 「ギャラクシー街道」Tジョイ大泉 ある限られた趣味の人にのみ解るジョークとか、ある映画を知らないと通じない設定とか、そんな小技が隠し味として仕込まれている映画はシャレていて、思わずクスリとしてしまう。この映画にはクスリが…

2015.10.28 「アデライン、100年目の恋」シネリーブル池袋

2015.10.28 「アデライン、100年目の恋」シネリーブル池袋 「嵐が丘」の様な時間を超えた恋の物語を想像していた。お墓や骸骨が出てきたりの。ところがドロドロは一切無い中々洗練されたファンタジー、後味は良かった。 舞台はサンフランシスコ、1…

2015.10.19 「バクマン」日劇マリオン

2015.10.19 「バクマン」日劇マリオン 受験勉強もクラブ活動も何にもやらなかった高校生が漫画家になる話。原作は少年ジャンプ連載の漫画。ジャンプのコンセプト、「友情・努力・勝利」を踏まえつつ、成功、そして挫折、それを実写と漫画を上手く…

2015.10.16 「進撃の巨人 後編」

2015.10.16 「進撃の巨人 後編」 前篇をダイジェストした長いアバン、そのバックにオペラのアリアの様な女声Vocal、このアイデア、ありきたりだがまあ良い。但しもう少し上手くてエキセントリックな声の人の方が良かったのでは。アバンの大半は巨…

2015.10.13 「岸辺の旅」丸の内TOEI

2015.10.13 「岸辺の旅」丸の内TOEI 黒沢清はいつも『死』をテーマにしている。こんなことに拘り続けるのは大変なことである。岸辺とはあの世とこの世の境目、そこを3年前に死んだ夫と、夫の死を受け入れられないでいる妻が旅をする、死者と生者夫…

2015.9.30 「合葬」新宿ピカデリー 

2015.9.30 「合葬」新宿ピカデリー 怪しげな映画だなと思っていた。多分スポンサー付だと思っていた。杉浦日向子の漫画が原作とのこと。脚本.渡辺あや、「ジョゼ~」の人だ。 幕末、彰義隊に入った若者3人の話。負けると分かっていながら参加し燃え…

2015.9.28 「天空の蜂」丸の内ピカデリー

2015.9.28 「天空の蜂」丸の内ピカデリー 東野圭吾の原作。20年近く前のものだそう、原発を扱っている。監督・堤幸彦。出演、江口洋介、綾野郷、本木雅弘、向井理、仲間由紀恵。「S最後の警官」が向井、綾野でヘリやらテロやら、同じ時期に似たよ…

2015.9.16 「わたしと出会うまでの1600キロ」スバル座

2015.9.16 「わたしと出会うまでの1600キロ」スバル座 離婚した母に女手ひとつで育てられ、娘はその母と愛憎半ば、その母が死ぬ。心の整理がつかず男と薬に溺れてなんてよくある話。その娘がメキシコからカナダまでの西海岸の砂漠と山脈と森を踏破…

2015.9.11 「ミッションインポシブル ローグネイション」渋東シネタワー

2015.9.11 「ミッションインポシブル ローグネイション」渋東シネタワー 「ソ満国境~」終わって15分後にこれ。真逆から真逆へ。 いろんな映画があって良い。何かを伝えたい映画が「ソ満国境~」ならこちらは2時間ちょっと何も考えずに映画の世界に浸…

2015.9.11 「ソ満国境15歳の夏」

2015.9.11 「ソ満国境15歳の夏」 茨城に大水害をもたらした台風が去り、久々の晴れ。10時半より頑張ってユーロスペース。 上野耕路が音楽担当、今日は最終日、頑張って早起き、無事観た。 素朴な映画、技術的には幼い。しかし何とかこの事実を伝…

2015.9.7「S-最後の警官」渋東シネタワー 

2015.9.7「S-最後の警官」渋東シネタワー 原作は漫画、TBSでドラマをやっていたらしい。 オダギリがテロリスト、プルトニウムを運ぶ輸送船を奪って東京湾に突入しようとする。それを阻止しようとする向井、綾野、大森南朋、新垣結衣ら、S隊員との攻…

2015.8.31「東京裁判」(1983) ユーロスペース 

2015.8.31「東京裁判」(1983) ユーロスペース スクリーンで観てなかった。ようやく観た。ユーロスペースでこの日のみ特別上映。2回回し。12時半の回に行く。私以上の高齢者で満杯。ギリギリで入れた。 昨日、「それでも日本人は戦争を選んだ」を読…

2015.9.10 DVD「野火」(市川崑版)

2015.9.10 DVD「野火」(市川崑版) 昭和34年 市川崑監督。モノクロ。観てなかった。 冒頭に芸術祭参加作品とクレジット。トップシーンは、小隊長が主人公に向かって、何故戻ってきた、お前のような役に立たない病人は置いとく訳にはいかないんだよ、…

2015.8.28「野火」ユーロスペース 

2015.8.28「野火」ユーロスペース 将校・下士官・馬・兵士と言うのだそうてある。大岡昇平の原作、塚本晋也の監督主演製作脚本。兵士の物語である。太平洋戦争末期のフィリピン戦線。本隊も何もなくなって飢餓状態の中でひたすらジャングルを彷徨す…

2015.9.6 DVD「日本のいちばん長い日」

2015.9.6 DVD「日本のいちばん長い日」(1967版) 何十年ぶりかのDVDによる再見。 タイトル前に、御前会議に至る陸海軍のやり取り、政府内の状況が簡単に語られる。ポツダム宣言の受諾の御聖断、そしてタイトル。ここからの24時間にこの映画は絞ってい…

2015.8.14 「日本のいちばん長い日」丸の内ピカデリー 

2015.8.14 「日本のいちばん長い日」丸の内ピカデリー 天皇が、固辞する鈴木貫太郎を首相に任命するところから始まり、鈴木が辞任するところまで、ポツダム宣言を受け入れ玉音放送を行った歴史の裏で、戦争を終わらせることが如何に大変なことであ…

2015.8.12「この国の空」シネリーブル池袋

2015.8.12「この国の空」シネリーブル池袋 最後に二階堂ふみが茨木のり子の「私がいちばんきれいだったとき」を朗読する。ローリングで下絵はない。これまでの映画が吹っ飛ぶ。この詩にはかなわない。足元にも及ばない。荒井晴彦は当然解っている。…

2015.8.10「進撃の巨人 前編 ATACK ON TITAN」新宿TOHOシネマズ 

2015.8.10「進撃の巨人 前編 ATACK ON TITAN」新宿TOHOシネマズ 映画「進撃の巨人」を観た。漫画もアニメも見ていない。「進撃」初体験である。 冒頭簡単なアニメで、人を喰う巨人が居て人類は滅亡の危機に瀕し、ヨーロッパ中世の要塞都市の様に巨…

2015.7.31「HERO」T・ジョイ大泉

2015.7.31「HERO」T・ジョイ大泉 TV観てなかった。ほとんど初めてのHERO体験。これまでの実績があり、各キャラクターも出来上がっている。それを動かせば良いのだから一番話の作りやすい状態である。もちろん興収50億を狙わねばならないという大変な…

2015.7.17「天の茶助」丸の内ピカデリー

2015.7.17「天の茶助」丸の内ピカデリー 時間が空いたので観る。前から新聞広告を見て、これは何なんだろう?と思っていた。何とか茶道家元とかどうせ何かのスポンサー付と思っていた。 やつぱり中身は酷い。天上で訳のわからない坊主どもが必至に筆…

2015.7.13 「バケモノの子」スカラ座

2015.7.13 「バケモノの子」スカラ座 前作「おおかみこども」は、おおかみと人間が愛し合い子供を作り、人間社会の中でひっそりと生きていくという、種を超えた話に驚き衝撃的だった。次がバケモノである。いやでも期待は膨らむ。結果は… 父が失踪…

2015.7.7「きみはいい子」丸の内TOEI

2015.7.7「きみはいい子」丸の内TOEI 団地に住む幼稚園入園前の娘と母親(尾野真知子)、夫は単身赴任。同じく入園前の男の子と赤ん坊を抱えるシングルマザー(池脇千鶴)、小学校4年を担任する若き男性教師(高良健吾)、呆け始めの一人暮らしの品の良い老…

2015. 6 25「駆け出し男と駆け込み女」新宿ピカデリー

2015. 6 25「駆け出し男と駆け込み女」新宿ピカデリー 時間間違えて10分程経過、迷ったが入った。前から2列目の右端、最悪の場所。肌のブツブツか画面の粒子のブツブツか、そんなことが気になってとても映画を観る環境じゃない。適当に見よう、眠…