映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2015-12-25から1日間の記事一覧

2015. 6 23「靴職人と魔法のミシン」シャンテ 

2015. 6 23「靴職人と魔法のミシン」シャンテ 地下に仕舞ってあった父親譲りの古びたミシン、これで修理した靴を履くとその靴の持ち主に変身出来る、そんな他愛もない小噺をNYの庶民を主人公に洒落た映画にした。ウディ・アレンのインテリNYとは…

2015.6.18 「海街Diary」日劇マリオン  

2015.6.18 「海街Diary」日劇マリオン 原作は吉田秋生の漫画だそうな。そんなこと全く感じさせない是枝ワールド。「そして父になる」の”家族”というテーマを引き継いでいる。今回は、血は繋がっている。初めて会う腹違いの少女と、三姉妹が本当の家…

2015.5.15「セッション」新宿TOHOシネマズ 

2015.5.15「セッション」新宿TOHOシネマズ 人生が展開する瞬間、それをジャズのDrを通して見事に描いた映画。 最近見た映画の中では一番パッとしない風貌の男、このユダヤ系主人公が、のし上がってやる! とひたすらDrを叩く。ようやく出来た恋人もDr…

2015. 5 8「権三と七人の子分たち」丸の内ピカデリー

2015. 5 8「権三と七人の子分たち」丸の内ピカデリー たけし、ギャグが溢れ出して止まらない人だ。いくらでも湧いてくる。親分決めるのに、殺人10点、恐喝5点、詐欺3点、と点数制。それを記録する飲み屋の兄ちゃん、そのままじゃ不味いと殺人をレバ、…

2015. 5 6「マジックインザムーンライト」シネリーブル池袋

2015. 5 6「マジックインザムーンライト」シネリーブル池袋 肩の力抜けて、W・アレンの人間賛歌。軽快洒脱。これまでの人生80年の経験知識の蓄積の上の、サラリとした上澄みエキスで語る、人生肯定の恋愛映画。もともとシャイな人、真正面から人間と…

2015.4.30「バードマン」池袋シネリーブル 

2015.4.30「バードマン」池袋シネリーブル 60歳を過ぎた頃から来し方行く末が急に見えてきて、視界が拡がった。来し方よりは行く末の方に。行く末はいずれ宇宙の塵、そう考えると諸々が全く違って見えてくる。食わねば死ぬしクシャミもする。他人は…

2015.3. 「アメリカンスナイパー」 日劇マリオン 

2015.3. 「アメリカンスナイパー」 日劇マリオン アメリカに生まれてなくて良かった。アメリカはカウボーイの国、肉体の国なのだ。ヒーローはカッコよくて強くなければならない。ヒーローが肉体によって成り立つのはどこの国も同じかもしれないが。 彼…

2014.12.2「紙の月」丸の内ピカデリー

執筆中

2014.8.5「オール ユー ニード イズ キル」丸の内ピカデリー 

2014.8.5「オール ユー ニード イズ キル」丸の内ピカデリー Deathはいつの間にかReset という、軽い言葉になってしまった。原作は桜坂洋の小説。 ゲームを実写にしたような映画。ネタは時間のループ。死ぬと前の決められた時間に戻って生き返り、し…

2014.7.28「ジゴロインニューヨーク」シャンテ 

2014.7.28「ジゴロインニューヨーク」シャンテ 最初のカット、音楽の付け方、ほとんどウディ・アレン。でも出演はしているものの、監督でも脚本でもない。全編既成曲、ジャズというよりはラテン寄り。でもラストの「ムーンライトインバーモント」と…

2014.7.23「超高速参勤交代」丸の内ピカデリー 

2014.7.23「超高速参勤交代」丸の内ピカデリー 「春を背負って」の翌日見たせいか、映画らしい映画で、嬉しくなってしまった。ちゃんと映画になっている。娯楽映画はこれでなくては。脚本は城戸賞受賞作。 松竹は大した宣伝もせずこんなのを作って…

2014.7.22「春を背負って」スバル座 

2014.7.22「春を背負って」スバル座 木村大作、言わずと知れた日本を代表する名カメラマンである。「八甲田山」「南極物語」「駅」「鉄道員」作品歴は上げたら切りがない。その人が何年か前に自ら監督して「剱岳-点の記」を作った。ドラマ部分は板付…

2014.7.17 「私の男」 スバル座

2014.7.17「私の男」スバル座 期待し過ぎたか。 奥尻津波で天涯孤独になった少女と、それを引き取って育てる遠縁の男(浅野忠信)との話。禁断の近親相姦もの。導入のひとり取り残された少女が良い。瞬きせず、遠くを見つめ続ける、この世にひとりだ…

2014.2.25「エイジェント ライアン」スカラ座

2014.2.25「エイジェント ライアン」スカラ座 トム・クランシー原作、ハリソン・フォード主演の「パトリオットミサイル」「今そこにある危機」、面白かった。そのドクター・ライアンのシリーズ。予告編が思わせぶり、潜入した先に何故か婚約者が居た…

2014.2.19「ウルフ オブ ウォールストリート」丸の内ピカデリー 

2014.2.19「ウルフ オブ ウォールストリート」丸の内ピカデリー マーチン・スコセッシ、若いなぁ。こんな今時風の映画を撮れるなんて大したもの。ディカプリオも最近の中では一番良い。成り上がりの、金とドラッグとセックスまみれの株屋を、初めか…

2014.1.30「危険な関係」シャンテ 

2014.1.30「危険な関係」シャンテ ロジェ・ヴァディムの「危険な関係」は、我が性に目覚める頃の衝撃だった。そして何よりアート・ブレイキーの音楽が私のジャズの初体験だった。 さて韓国の「八月のクリスマス」(未見)の監督が作った、韓中合作の…

2014.1.27「小さなおうち」丸の内ピカデリー 

2014.1.27「小さなおうち」丸の内ピカデリー 「東京家族」なんかより遥かに遥かに良い。 淀長さんが天国で言っている。”あなたその年になってようやく粋な映画撮れたわね” その主たる原因は松たか子と音楽にあり。 昭和一桁の山の手に赤い屋根の当…

2014.1.21「武士の献立」丸の内ピカデリー 

2014.1.21「武士の献立」丸の内ピカデリー これを正月映画にする松竹はつらいなぁ。 テレビの2時間ものである。包丁侍の家に生まれた次男坊が兄の急死で家を継ぐ話。そこに町人出のしっかりもので料理上手の妻が内助の功。背景に加賀騒動。コジンマリと…

2013.12.9「利休にたずねよ」丸の内東映

2013.12.9「利休にたずねよ」丸の内東映 アバンから取り巻く兵士の数が4人位だったり、寄りばかりで何かテレビッぽい。大作と期待していたのに。とにかく寄りと顔のアップがやたらに多い。製作費が無かったのだろうか、広い絵はたまにしかない。狭…

2013.12.2 「かぐや姫の物語」日劇マリオン 

2013.12.2 「かぐや姫の物語」日劇マリオン 高畑勲監督作品のアニメ。 竹取物語とはこういうことだったのか… 誕生は偶然、親も国も時代も場所も選べない。生を受けた人間はこの地球という星の上で、自然を愛で、人を愛することを知り、同時に哀しみ…

2013.11.13「清洲会議」日劇マリオン

2013.11.13「清洲会議」日劇マリオン 信長亡き後の織田家の行く末を話し合った歴史的事実を、よくぞ集めたというオールスターキャストで喜劇仕立てにした、三谷幸喜の原作・脚本・監督そして宣伝マン作品。入りは上々のよう。しかしやはり映画ではな…

2013.11.12「ばしゃ馬さんとビッグマウス」丸の内TOEI2

2013.11.12「ばしゃ馬さんとビッグマウス」丸の内TOEI2 映画に何を求めるか、あるいはどんなものを面白いと思うか。人によっても違うし、その時の気分によっても違う。どんな時にも世界中誰が見ても面白いと思える最大公約数がハリウッド映画だとした…

2013.11.11「ヒトラーの偽札」DVD 

2013.11.11「ヒトラーの偽札」DVD ナチがユダヤ人を使って偽札を作ったという実話に基づく話。久々見事な映画。主人公は贋物作りの名人、お札、パスポート、何でも作る。1936年の夜のベルリンの実力者。そしてユダヤ人。この男、生きる為ならどん…

2013.10.22「凶悪」ヒューマックス有楽町

2013.10.22「凶悪」ヒューマックス有楽町 後味は悪い。何のためにこの映画を作ったのか、何を訴えたかったのか、それが解らない。しかし一分のスキもなく、一気に見せる。眠気が割り込む余地無し。そういう意味で見事な映画。 極悪人・ピエール瀧…

2013.10.11 「そして父になる」 丸の内ピカデリー

2013.10.11 「そして父になる」 丸の内ピカデリー 20年後には間違いなく宇宙の塵になっている。年のせいかそんなことばかり考える。その塵が人間として再び結実するのには悠久の時が必要、「火の鳥」のような話。そう思う時、今人間としてあること…

2013.6.5「リアル~完全な首長竜の日~」有楽座

2013.6.5「リアル~完全な首長竜の日~」有楽座 先週土曜公開、入ってないと聞いた。成る程入ってない。 ド頭,トイPf、曲終わり絶妙な間で台詞、効果。完璧。綾瀬はるか、佐藤健、二人のマンションの一室。色調が抑えられていて、この空間が単純…

2013.5.14「舟を編む」丸の内ピカデリー2 

2013.5.14「舟を編む」丸の内ピカデリー2 石井裕也の初メジャー作品、多分。本屋大賞の原作。辞書を作る話。期待して見る。 期待に違わず。オタク編集者の辞書作り一途が感動を呼ぶ。 おそらく原作には言葉の面白さ、辞書作りのプロセスの面白さが…

2013.3.25「フライト」丸の内ピカデリー2

2013.3.25「フライト」丸の内ピカデリー2 飛行機パニックものと思っていた。それがオスカーの候補に入ったのだから、何かそれなりのものがあるのか。導入は飛行機パニックもの、しかしそれは実に手短に説明して、あとは“嘘をついてはいけません”と…

2013.3.4「脳男」スカラ座

2013.3.4「脳男」スカラ座 頭で宗教曲のコラール。「悪の経典」(監督.三池崇史)の方は『マックザナイフ』。片やSP、片やLPだが、ともに回転するレコードのアップ。入り方は同じである。しかし、善悪の規範を持つ宗教曲と、意味のない人殺しの切…

2013.2.26「世界にひとつのプレイブック」シャンテ  

2013.2.26「世界にひとつのプレイブック」シャンテ 久々にハートウォーミングな恋愛映画である。 原作の直訳なのか、邦題の意味が良く解らない。 夫を事故で亡くした女と、妻の浮気相手をボコボコにして躁鬱病になって病院に入った男のハッピーエン…