映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

洋画

2016.6.18 「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」

2016.6.18「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」新宿ピカデリー 生きることに何の感動も感じない貴族の跡取りが自殺を試みるもどれも失敗、偶然知ったブリュッセルの自殺請負の代理店で、時間も場所も方法も知らされない、突然の事故に…

2016. 6. 13 「教授のおかしな妄想殺人 」 シネリーブル池袋

2016.6.13「教授のおかしな妄想殺人 」シネリーブル池袋 ウッディ・アレンは今や思いついた企画は何でも実現出来る人の様だ。近年の多作ぶりは目を見張る。話はどれも殆どワンアイデア。締めは、“人間この不可解でいい加減な、愛すべき生き物”、そ…

2016. 5. 20 「レヴェナント」 Tジョイ大泉

2016.5.20「レヴェナント」Tジョイ大泉 アイルランド系とイタリア系の戦いだったり、ヒスパニックとの戦いだったり、黒人差別だったり、そっちにばっかり目が行っていたが、そもそも新大陸に上陸した白人は原住民であるインディアンを侵略し虐殺し…

2016.5.18「ボーダーライン」 角川シネマ有楽町

2016.5.18「ボーダーライン」角川シネマ有楽町 カナダ人、ドゥニ・ビルヌーブ、「灼熱の魂」の監督。中東のどこか、民族と宗教が対立して引き起こした混沌、そこで人間の尊厳やら命の大切さやら親子の繋がりやら、人類が築き上げた共に生きていく為…

2016.5.06 「スポットライト 世紀のスクープ」

2016.5.06「スポットライト 世紀のスクープ」Tジョイ大泉 社会派エンタテインメント。オスカーの脚本賞と作品賞を受賞した。 カトリックの聖職者の幼児に対する性的虐待を、アメリカの地方紙ボストングローブが告発した実話に基づく話。こういう“実…

2016.4.25「ルーム」日比谷シャンテ

2016.4.25「ルーム」日比谷シャンテ 先日も千葉大の学生が少女を2年間監禁するという事件があった。7~8年前には新潟で7年に及ぶ長期の監禁事件があった、確か。おぞましいが現実、頻出している。 17歳で誘拐され納屋に監禁され、犯人の子供を産み、…

2016.3.29 「リリーのすべて」 みゆき座

2016.3.29「リリーのすべて」みゆき座 肉体は生まれた時から男女の違いを明白に示す。しかし意識は後付けの様な気がしてならない。肉体と同じ様に、男の意識、女の意識、と明確に違う構造になっているのだろうか。脳内に先天的に明確な違いがあるの…

2016.3.16 「マジカル・ガール」 ヒューマントラスト有楽町

2016.3.16「マジカル・ガール」ヒューマントラスト有楽町 12歳の頭を短髪にした華奢な少女アリシアが突然セーラームーン (私はこの手のキャラ、これしか知らない、もっとジャストなアニメがあるのだろう) の様な格好をして長山洋子の「春はSA-RA ,S…

2016.3.13 「ブルージャスミン」 DVD 

2016.3.13「ブルージャスミン」DVD 2014.5.10公開 ケイト・ブランシェットという女優を良く知らなかった。「キャロル」を観て急ぎこのDVDを観た。 NYのセレブ、社交界の花形だった女、夫はITなのか金融なのか分からないが、ほとんど詐欺同然の行為…

2016.3.8 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 丸の内ピカデリー

2016.3.8「マッドマックス 怒りのデス・ロード」丸の内ピカデリー ようやく観た。大きなスクリーンで観られて良かった。これこそ大画面大音量で観ないと魅力は半減する。 セットも車も火薬もスタントもかつてより数段アップ、そこにCGが加わり、これ…

2016.3.4 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」 Tジョイ大泉

2016.3.4「マネー・ショート 華麗なる大逆転」Tジョイ大泉 リーマンショックをいち早く予測して、空売りを浴びせ、大儲けをした4人の男、原作はこの男たちのノンフィクションだそうである。相当面白いはずだ。それを映画にする? ノンフィクションは…

2016.3 . 1 「キャロル」 渋谷シネパレス

2016.3.1「キャロル」渋谷シネパレス ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ、この二人の女優の素晴らしさに尽きる。パトリシア・ハイスミスの自伝的(?)原作。1950年代のNY。上流社会に属するキャロルと写真家を目指す若きテレーズ、この二人の…

2016.2.9 「ブラック・スキャンダル」 新宿ピカデリー

2016.2.9「ブラック・スキャンダル」新宿ピカデリー NYでもLAでもシカゴでもない。ボストンのギャングの話が珍しい。実話のよう。 ボストンの貧しい下町で育った兄弟と友達、ひとりはギャング、ひとりはFBI、そして一人は上院議員、この3人が固い絆…

2016.2.16 「オデッセイ」 新宿ピカデリー

2016.2.16「オデッセイ」新宿ピカデリー 火星の基地の外での作業中、突然襲った嵐に吹き飛ばされた男ワトニー(マット・デイモン)、ロケットは傾き、このままだと発射不可能となる。決断を迫られた女性隊長ルイス(ジェシカ・チャスティン)は、ワトニ…

2016.2.5 「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」 ヒューマントラストシネマ有楽町

2016.2.5「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」ヒューマントラストシネマ有楽町 『衣食足りて礼節を知る』という。“衣食”が足りなくても礼節を知っている人が0.0001%くらい、“衣食”が足りても礼節を知らない人間が40%くらい、あとの大半は“衣食”が足…

2016.1.27 「スター・ウォーズ フォースの覚醒」 日劇マリオン

2016.1.27「スター・ウォーズ フォースの覚醒」日劇マリオン 1977年、最初の「スターウォーズ」を観た時、巨大な宇宙船やらH型の攻撃機やらが宇宙狭しと飛び回り、こんな映像初めてだ! と口を開いて見入ってしまった。ジェダイもフォースも関係なか…

2016.2.3 「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」 シネスイッチ銀座

2016.2.3「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」シネスイッチ銀座 画家アレックス(モーガン・フリーマン)と教師ルース(ダイアン・キートン)の夫婦はブルックリンのエレベーターのないアパートの最上階(と言っても5F?) に住んで40年になる。冒頭、…

2015.8.17「人生スイッチ」ヒューマントラスト有楽町

2015.8.17「人生スイッチ」ヒューマントラスト有楽町 これも昨年夏観たもののブログ開始時に文を纏めておらず、今日のアップとなった。 オムニバス映画は大体中途半端になってつまんない。これは違った。初めて絶賛のオムニバス映画である。 エピソ…

2016.1.15 「ブリッジ オブ スパイ」 Tジョイ大泉

2016.1.15「ブリッジ オブ スパイ」Tジョイ大泉 導入が圧巻である。 自画像を描く痩せた初老の男、NYブルックリン大橋の袂の汚いアパート、街のノイズが効いている。地下鉄、物静かなこの男を慌しく追うFBI、イースト川での写生、ベンチの下に貼り…

2016.1.7 「マイ・ファニー・レディ」 ヒューマントラストシネマ有楽町

2016.1.7「マイ・ファニー・レディ」ヒューマントラストシネマ有楽町 ピーター・ボグダノヴィッチ監督、懐かしい名前。「ラストショウ」の監督。私の青春の1本である。 ブロードウェイのお芝居作りのバックステージをコメディーで描く。 今は映画で…

2016.1.6 「情熱のピアニズム」 DVD

2016.1.6「情熱のピアニズム」DVD 保谷北口から数分の住宅街に、こんなところにこんな店が! と驚くようなジャズのお店がある。「Hōya-Bunca」、JBLのスピーカーでアナログレコードをかける。LPレコードはどの位あるのか。週に一ぺん、そこで空気を通…

2016.1.5「黄金のアデーレ 名画の帰還」池袋シネリーブル

2016.1.5「黄金のアデーレ 名画の帰還」池袋シネリーブル かつてベトナム戦争が無かったらアメリカ映画は成立しなかったと言われた時期がある。「タクシードライバー」や「ディアハンター」の頃。同じようにナチのホロコーストが無かったら欧州映画…

2015.12.18 「007 スペクター」 Tジョイ大泉

2015.12.18「007 スペクター」Tジョイ大泉 今作のトップはメキシコ、「死者の日」の祭り。街中がゾンビ風に化粧した群衆で埋め尽くされている。それをクレーンと空撮で丸ごと収める。その中を、人をかき分けボンド。贅沢この上ない。貧しい邦画的…

2015.12,3「ミケランジェロ プロジェクト」日比谷シャンテ

2015.12,3「ミケランジェロ プロジェクト」日比谷シャンテ とっても懐かしい映画だった。子供の頃洋画を見始めて、邦画とは違う、豪華で明るくてユーモアがあって心浮き立つ、それがアメリカ映画だった。見ながら僕は完全にアメリカ人になっていた…

2015.11.3 「アメリカンドリーマー」シャンテ

2015.11.3 「アメリカンドリーマー」シャンテ 原題は「A Most Violent Year」、1981年、NYが最もヤバかった年の話である。 1970~80年代の「ゴッドファーザー」といったところか、それも少しカタギ寄りの。 イタリアかヒスパニックか、どちらかの移…

2015.10.28 「アデライン、100年目の恋」シネリーブル池袋

2015.10.28 「アデライン、100年目の恋」シネリーブル池袋 「嵐が丘」の様な時間を超えた恋の物語を想像していた。お墓や骸骨が出てきたりの。ところがドロドロは一切無い中々洗練されたファンタジー、後味は良かった。 舞台はサンフランシスコ、1…

2015.9.16 「わたしと出会うまでの1600キロ」スバル座

2015.9.16 「わたしと出会うまでの1600キロ」スバル座 離婚した母に女手ひとつで育てられ、娘はその母と愛憎半ば、その母が死ぬ。心の整理がつかず男と薬に溺れてなんてよくある話。その娘がメキシコからカナダまでの西海岸の砂漠と山脈と森を踏破…

2015.9.11 「ミッションインポシブル ローグネイション」渋東シネタワー

2015.9.11 「ミッションインポシブル ローグネイション」渋東シネタワー 「ソ満国境~」終わって15分後にこれ。真逆から真逆へ。 いろんな映画があって良い。何かを伝えたい映画が「ソ満国境~」ならこちらは2時間ちょっと何も考えずに映画の世界に浸…

2015. 6 23「靴職人と魔法のミシン」シャンテ 

2015. 6 23「靴職人と魔法のミシン」シャンテ 地下に仕舞ってあった父親譲りの古びたミシン、これで修理した靴を履くとその靴の持ち主に変身出来る、そんな他愛もない小噺をNYの庶民を主人公に洒落た映画にした。ウディ・アレンのインテリNYとは…

2015.5.15「セッション」新宿TOHOシネマズ 

2015.5.15「セッション」新宿TOHOシネマズ 人生が展開する瞬間、それをジャズのDrを通して見事に描いた映画。 最近見た映画の中では一番パッとしない風貌の男、このユダヤ系主人公が、のし上がってやる! とひたすらDrを叩く。ようやく出来た恋人もDr…