映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2017.06.26 「佐藤勝 音楽祭」、 7月30日に開催

2017.06.26「佐藤勝 音楽祭」、7月30日に開催 「佐藤勝音楽祭」が開催される。 佐藤勝(1928-1999)、今更言うまでもないが、日本の映画音楽の第一人者。黒澤明を始め、岡本喜八、山田洋次、山本薩夫等の作品を音楽で支え、組んだ監督100余人、作品数…

2017.05.23 「メッセージ」 ヒューマックス渋谷

2017.05.23「メッセージ」ヒューマックス渋谷 初めに言葉有りき。 十二使徒が言葉を武器に世界に遣わされる。 言葉はコミュニケーションのツールであると同時に武器となる。言語で認識は異なってくるらしい。思考方法も違ってくるという。確かにそ…

2017.05.29 「美しい星」 シネリーブル池袋

2017.05.29「美しい星」シネリーブル池袋 三島由紀夫の原作。荒唐無稽なSF、それを吉田大八が監督するとのことで期待した。冷戦時代の原作を今に合うよう、相当手を入れたそう。 主人公の気象予報士をリリー・フランキーが演じる。当たらないが売り…

2017.05.25 「夜空はいつでも最高密度の青色だ」 新宿ピカテデリー

2017.05.25「夜空はいつでも最高密度の青色だ」新宿ピカテデリー 東京の美しい夜景、その下で繰り広げられる小奇麗な恋愛、巷はそんな恋愛で満ち溢れている。映画だってそんな「恋愛もの」と「泣けますもの」ばかりだ。でも小奇麗からはじき出され…

2017.05.18 「カフェ・ソサエティ」 みゆき座

2017.05.18「カフェ・ソサエティ」みゆき座 NY育ちの若者ボビー (ジェシー・アイゼンバーグ) が成功した叔父のフィル (スティーブ・カレル) を頼ってハリウッドへ行き、そこで出会ったヴォニ― (クリステン・スチュワート) に恋をするも、彼女はフィ…

2017.05.11 「追憶」 新宿ピカデリー

2017.05.11「追憶」新宿ピカデリー しっかりした脚本、的確な演出、詩情溢れる撮影、人気者を適材適所に配したキャスティング、役者たちの熱演、映画をフィルムで撮影していた頃の落ち着きと格調を持つ作品である。(今、映画はVTRで撮影しそれをフ…

2017.05.08 「無限の住人」 丸の内ピカデリー

2017.05.08「無限の住人」丸の内ピカデリー 三池ワールド全開。アバンでキムタクが無限の住人になった経緯がモノクロで語られる。コントラストを利かせた画面が黒澤時代劇を彷彿とさせる。「十三人の刺客」(2010) 以来、僕は黒澤時代劇を継ぐ者は三…

2017.05.02 「午後八時の訪問者」 ヒューマントラスト有楽町

2017.05.02「午後八時の訪問者」ヒューマントラスト有楽町 フランスの地方都市 (?) の小さな診療所の若き女医ジェニー( (アデル・エネル) 、男の研修医と二人だけで運営する。怪我から心臓から認知症から、ありとあらゆる患者を診る。お金を持って…

2017.05.07 「草原の河」 岩波ホール

2017.05.07「草原の河」岩波ホール チベット遊牧民の家族を淡々と描く。父、母、幼い娘、間もなく妹か弟が生まれようとしている。行者様と呼ばれる祖父と父は仲が悪い。 羊の群れと共に高原を移動する。乳離れをし切れていない少女は弟か妹が出来る…

2017.03.31 「バンコクナイツ」 テアトル新宿

2017.03.31「バンコクナイツ」テアトル新宿 昔、「ダウン バイ ロウ」を見た時と同じ衝撃だった。音楽の使い方である。映画の内容は全く違う。音楽の種類も違う。でもどちらもいわゆる劇伴ではない、独立した楽曲。それをぶっきら棒に充てている。…

2017.04.25 「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」 日比谷シャンテ

2017.04.25「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」日比谷シャンテ 1963年、ケネディ暗殺。動転するジャクリーヌ・ケネディ (ナタリー・ポートマン) の葬儀までの日々を追う。但し動転をそのまま映画にしたので、時系列は飛び、その都度の連想…

2017.04.20 「パッセンジャー」 日劇マリオン

2017.04.20「パッセンジャー」日劇マリオン 漆黒の宇宙にただ二人取り残された、絶対孤独の哲学的SFを期待していたが見事に肩透かしを喰った。 5000人の宇宙移住者を乗せた宇宙船が彼の地を目指す。到着には120年掛かる。みんな冬眠状態で運ばれ、…

2017.04.04 「ムーンライト」 日比谷シャンテ

2017.04.04「ムーンライト」日比谷シャンテ マイアミの黒人スラムに住む孤独な少年、母はヤク中母子家庭、おまけにゲイらしい。それをタネにイジメられる。どこにも居場所のない少年の成長の物語。 本名はシャロン。小さい頃は ”リトル” と呼ばれ、…

2017.02.06 「マグニフィセント セブン」 新宿ピカデリー

2017.02.06「マグニフィセント セブン」新宿ピカデリー 「七人の侍」「荒野の七人」のリメイク。それにしても「マグニフィセント セブン」というそのままタイトルはいかがなものか。でも確かに上手いタイトルが浮かばないなぁ。 デンゼル・ワシント…

2017.03.28 「わたしは、ダニエル・ブレイク」 ヒューマントラスト有楽町

2017.03.28「わたしは、ダニエル・ブレイク」ヒューマントラスト有楽町 ダニエル (デイブ・ジョーンズ) は熟練の大工、60歳位、妻に先立たれ子供はいない。地道に働いてきたが心臓病と分かり、医者から働くことを禁じられる。そこで支援手当の申請…

2017.03.21 「たかが世界の終わり」 ヒューマントラスト有楽町

2017.03.21「たかが世界の終わり」ヒューマントラスト有楽町 題名につられて見てしまった。有名な監督らしい。カンヌで賞を取ったことも後で知った。 冒頭の深い闇。効果音がFIしてそれが夜の機内であることが解る。いかにもな思わせぶり。思わせぶ…

2017.03.17 「ラ・ラ・ランド」 日比谷シャンテ

2017.03.17「ラ・ラ・ランド」日比谷シャンテ ハリウッドへ向かうハイウェイは夢を抱えた若者の車で大渋滞である。カーラジオから流れる音楽のコラージュが凄い。クラブDJもビックリという巧みな繋ぎで何曲並べているのか分からない。エンドロール…

2017.03.10 「愚行録」 丸の内ピカデリー

2017.03.10「愚行録」丸の内ピカデリー 冒頭、夜の混んだ乗り合いバスの中、座っている妻夫木にお節介なオヤジが、脇に立つ老婆に席を譲れと促す。カットは中途半端に長い。しかも手持ち。今風メリハリの演出とは違う。導入としては絵的なインパク…

2017.02.20 「武満徹 21回目の命日」

2017.02.20 「武満徹 21回目の命日」 (1996年1月? 2月? あるいは1995年12月か…) 武満先生から突然電話が入った。びっくりした。 “武満です” 一瞬分からなかった。 「燃える秋」や「乱」のサントラ以来お付き合いは続いていたが、気軽に電話を頂く…

2017.02.13 「キセキ あの日のソビト」 丸の内TOEI

2017.02.13 「キセキ あの日のソビト」丸の内TOEI “命懸け”という言葉は死語になったのかもしれない。かつて若者は命を懸けて成りたい者に成ろうとした。演歌歌手を目指すものは命懸けで東北から上野へと上京した。シンガーソングライターを目指す…

2017.02.08 伊福部先生の命日 没後11年

2017.02.08 伊福部先生の命日 没後11年 もう一年が経ってしまった。映画の感想だけを書くつもりだったが、接した作曲家の先生方の命日の日だけは、思い出などのコラムを書くことにして、伊福部先生について書いたのがつい先日、あれから一年が経っ…

2017.02.03 「恋妻家宮本」 Tジョイ大泉

2017.02.03「恋妻家宮本」Tジョイ大泉 50歳過ぎて、子供も片付いた。そこに訪れる “私の人生これで良かったの?” 熟年クライシス。子供が居る居ない、経済的問題、親の介護、個々の条件はみんな少しずつ違うも、大きな背景としては女性に経済力が…

2017.01.25 「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」 日比谷シャンテ

2017.01.25「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」日比谷シャンテ ファーストカットはナイロビの可憐な少女である。父から勉強を教わり、母が焼いたパンを市場で売る。フラフープで遊び、原理主義者に咎められるも父はそっとかばう。ナイロビ…

2017. 1.23 「ヒトラーの忘れもの」 シネスイッチ銀座

2017.01.23「ヒトラーの忘れもの」シネスイッチ銀座 それにしても上手い邦題を付けたものである。ポスターも何も見ずにこのタイトルだけを見たら、ちょっとロマンチックなものさえ感じてしまう。「ヒトラーの偽札」というナチを扱いつつ欧州の知性…

2017.1.9 2016年度総括 「M・I グランプリ」

2017.1.9 2016年度総括「M・I グランプリ」 このブログ、始めてちょうど一年である。昨年の元旦、それまでに書き溜めたもの125をアップしてのスタートだった。 昨年は劇場でちょうど100本の映画を観た。その内ブログに書いたものは70、忙しさにかまけ…

2016.12.20 「湯を沸かすほどの熱い愛」 有楽町ヒューマントラスト

2016.12.20「湯を沸かすほどの熱い愛」有楽町ヒューマントラスト 予告編、癌を宣告され余命幾ばくも無いしっかり者の宮沢りえ、蒸発した旦那を探し出し、閉じていた銭湯を再開して、イジメに合っている娘の尻を叩き、それだけで、あゝ病気物余命物…

2016.12.17  かしぶち哲郎の命日

2016.12.17 かしぶち哲郎の命日 12月17日はかしぶち哲郎の命日である。 2013年12月17日深夜、大森(一樹)さんから電話が入り、”かしぶちさん、亡くなったってネットに流れてるで” 患っている事、全く知らなかった。63歳だった。 云わずと知れた日本の伝説的ロ…

2016.12. 05 「この世界の片隅に」 丸の内TOEI

2016.12. 05「この世界の片隅に」丸の内TOEI テアトル新宿で予告編を見た。それだけで胸が一杯になった。「悲しくてやりきれない」(作詞・サトウハチロー、作曲・加藤和彦) は大好きな曲である。それをたどたどしい女声のVocalがほとんどアカペラで…

2016.12.05 「佐藤勝の命日」

2016.12.05「佐藤勝の命日」 1999年12月5日、佐藤勝は死去した。 その年の秋の叙勲で佐藤先生は勲四等旭日小綬章を受賞した。同じく黒澤組美術の村木与四郎さんも受賞、お二人のお祝いの会が、ちょうど終わったばかりの「雨上がる」 (2000.…

2016.11.15 「ぼくのおじさん」 丸の内TOEI

2016.11.15「ぼくのおじさん」丸の内TOEI エンドロールが出るまで監督が山下敦弘とは知らなかった。時代ズレしたおっさんが監督したのかと思っていた。愕然とした。 「リンダリンダリンダ」(2005) も「天然コケッコー」(2007) も「苦役列車」(拙ブ…