映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2011.2.2 「アンストッパブル」日劇マリオン 

2011.2.2 「アンストッパブル日劇マリオン 

 

典型的ハリウッド娯楽大作。暴走する機関車を二人の男が止めるというだけの話。それを手汗握るエンタテインメントにするのがまさにハリウッドのノウハウ。単純に面白かった。

音楽は打ち込みリズムに弦、要所にシンセのアタック音。メロはマイナー。

オープニングからリズムとマイナーメロが出てくるので、少し先売りし過ぎではと思う。これじゃ惨事が起きるのは始めから分かってしまう。でもこれで良いのだ。分かりきっているのだから。

リズムと弦メロは画面に合わせて縫うように交互する。アタックも画面とSEの間に上手く入れてある。始めから終りまでほとんどこのMパターン、鳴りっぱなし。列車やヘリの音も鳴りっぱなし。一気呵成にクライマックスへ。主人公が無人の機関車に飛び乗った!

とたんにリズムが無くなり弦が静かに流れた。お決まりかもしれないが上手い。良い。

クライマックスは変にもったいぶらずあっさりと。これも良い。

音楽がオンで鳴って、セリフSEがオフで小さく流れる処理も学ぶところ大。

その音楽、バサッとカットアウトして、ローリングにラップ。タイアップなのか。でもこの繋ぎ方、潔くて使える。そのバックに登場人物のその後がアメリカングラフィティ方式でスティールとテロップで流れる。

お決まりの良さを堪能。職人芸である。

監督 トニー・スコット 音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ