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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2011.4.22 「毎日かあさん」角川シネマ新宿

2011.4.22 「毎日かあさん角川シネマ新宿 

 

西原恵理子の漫画の映画化。自身と旦那の実話である。かつて本物の夫婦だった小泉今日子永瀬正敏が夫婦役を演じて、実にハマっていた。

アル中のダメ夫と、生活の為にひたすら漫画を描き、子育てをし、家庭を支える小泉。そんな家庭でも子供たちは明るい。親が心配するより子供の方がしっかりしている。二人の子供の後姿を見て、いつの間にかちゃんと妹を守るお兄ちゃんになっていたとモノローグする小泉、良いシーンである。破綻した夫婦ではあるが、子供たちにはいっぱい愛情を注いでいるからである。子供二人が自然で生き生きとしていて良い。こんなに自然に撮れるなんてこの監督、大したものである。

小泉40半ば、なんとイイ女か。あの綺麗な鼻筋は天下一品。

音楽は周防義和。タイトルから小物の弦楽器(カリンバ?)で素朴、しかし単純ではないメロ、音楽は極力控えて必要な所にさりげなく。後半には少し厚く弦も入った。

作曲家を知らず、ローリングタイトル見てびっくり。てっきり大友良英あたりかと思っていた。それがバンド系が得意の義和さんとは。腕を上げましたね。内容を深く理解した映画音楽です。

エンドロールの音楽は元憂歌団・木村の「ケサラ」これも泣ける。映画の余韻を大切に引き継いだ主題歌である。つまらないタイアップ主題歌を付けなかったプロデューサーの見識に拍手である。

永瀬はアル中ダメ男だけど、戦場カメラマンとして地獄を見てしまったという納得させる理由がある。それでも離婚するのだが、余命僅かの病になることでまた同居することになるというストーリーは見るものの腑に落ちる。きちんと計算されたエンターテイメントのストーリーだが、これが全部事実だということが凄い。

もし病気もせずそのまま別れっぱなしだと「ブルーバレンタイン」のインテリ、アッパークラス版といった所か。

こちらにはちゃんとカタルシスがある。キョンキョン、最高である。

監督.小林聖太郎  音楽.周防義和