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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2011.6.9 「ブッダ」丸の内東映

2011.6.9 「ブッダ」丸の内東映   

 

手塚治虫の原作のアニメ化。元の漫画があるから仕方ないが、何でこの題材をアニメでやるのかという根本的疑問がまずある。

釈迦が生まれ、悩み、国を捨て、旅立つまでの話。ハリウッドでいえば「バイブル」「聖衣」

「十戒」である。スペクタクル超大作である。実写でやると膨大な製作費が掛かるからアニメでやったというのは解る。だがそれだけでアニメでやる理由とするのはあまりに安直である。アニメでなければ表現出来ない何か、悲惨と悩みと救いの芳醇なイメージがあるかといえば無い。ただただ史実の絵解き。

多分漫画にはあっただろう手塚特有のユーモアやギャグも無い。アニメだから仕方無いのかもしれないが、キャラクター、特に女は年齢不詳でみんな若く美しく、ほどよくエロティックである。チャクラと母が抱き合って死んでいくところなど、恋人同士としか見えない。そんなところにリアリズムを求めてしまうのはアニメ嫌いゆえか。

音楽・大島ミチル。大編成オーケストラを使って卒が無い。しかし新味もない。ソプラノサックスかと思った音色は尺八だった。インド風もある。しかし大筋はオケ。当て書きと選曲と両方のよう。特に印象に残るテーマメロもなく、でももし音楽が無かったら多分感情移入は全く出来なかったかも。つまりはちゃんとした映画音楽だったということか。

吉永小百合はナレーションとチャクラの母。アニメ向きの声ではないのに無理してる。ナレーションはまだ良いとして、母の声はいかがなものか。王様の声は能の人らしいがダメである。単に無表情に聴こえてしまう。声優のデフォルメの中に役者が入った時の難しさが露呈。

最後はXジャパンの甲高い主題歌。

ローリングに仏教関係の団体の名前がズラリ。そこそこ入っていたがほとんどが動員の様であった。続編、作るのだろうか。

監督.森下孝三  音楽.大島ミチル 主題歌.Xジャパン