映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2011.6.13「テンペスト」シャンテ 

2011.6.13「テンペスト」シャンテ 

 

シェイクスピアの「テンペスト」の映画化。

予告のヘレン・ミレンが素敵で、予告の中世ルネッサンス風のアカペラの歌が素敵だったので。

でもやっぱり芝居の映画化の感は免れなかった。朗々とした台詞の字幕は、読むのが遅い私には追いつかず。舞台というデフォルメされた場で聞けば含蓄のある台詞だろうが、荒涼としたリアルな島の映像の中で言われると、どうしても詩的深みは半減する。映画はどうしようもなく即物的である。部分的に良いところもあるのだが。

でも音楽は面白かった。クレジットを見切れなかったが、音楽はポピュラー系の人では。部分的には安っぽいEGのギンギン鳴るところ、ドラムのリズムだけのところなど頂けない箇所もあるが、オケでやるより面白かった。

素朴なアカペラボーカル曲、あれはオリジナルかトラディッショナルか。風の妖精が唄うあの歌だけでも音楽は成功である。

ヘレン・ミレンは見事である。

監督 ジュリー・テイモア  音楽 エリオット・ゴールデンサール