映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2012.5.7「テルマエ・ロマエ」シャンテ 

2012.5.7「テルマエ・ロマエ」シャンテ 

 

漫画が原作とのこと。

ローマ時代のTELEMAE(風呂)設計技師がタイムスリップして現代の日本に来て、そこで学んだ風呂のあれこれをローマ時代に再現して大うけし、皇帝にも重用されるという話。たわいがないがそれなりに楽しめて、後には何も残らない。これも映画。

タイムスリップに理屈はない。取って付けたような、水、涙、は理由ではなく、単なるきっかけ。

時空を超えるところは、男性のオペラ歌手が大仰に歌い、それに合わせてことが運ぶ。簡単だがアイデア。ひたすら阿部寛の肉体美、それに対する裸の爺さんたちの可笑しさ。脇のキャスティングが良い。

音楽は住友紀人、ただ全編クラシックの選曲の感。オリジナルはどこまでか。選曲は上手い。原曲の出所に関係なく曲の感じだけではめている。監督がクラシック好きなのかも知れない。

いったいどこまでが実写でどこまでがCG?セットはどこまで作ったか?そんなことばかり気になった。実際にローマのチネチッタでも撮影したそうな。

浅いがある程度は史実に符号させて纏めてある。塩谷七生の軽薄子供版といったところか。

ラテン語だったり日本語だったり話す言葉が途中からごちゃごちゃになるが、そんなところに整合性を求めても意味ないこと。単純に笑える映画。女が男の裸を楽しむ時代になったのだ。上戸彩が可愛い。

監督 武内英樹  音楽 住友紀人 テーマ曲「誰も寝てはならぬ」ラッセル・ワトソン