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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2014.1.30「危険な関係」シャンテ 

2014.1.30「危険な関係」シャンテ 

 

ロジェ・ヴァディムの「危険な関係」は、我が性に目覚める頃の衝撃だった。そして何よりアート・ブレイキーの音楽が私のジャズの初体験だった。

さて韓国の「八月のクリスマス」(未見)の監督が作った、韓中合作の本作、舞台を1931年の上海に移してチャン・ツィー、チャン・ドンゴンセシリア・チャンと、三大スター共演の大作。確かに衣装、セット、上海の立派なオープン、お金は掛かっている。しかし、ただの安手のメロドラマにしか思えない。背後に時代が見えてこない。韓国メロドラマの延長。きっと映画的テクニックはある監督なのだろう。しかしテクニックはそれにふさわしい所で使うべき。同時に掛かる電話のシーンの細かい編集やら鬱陶しい。アップも多用し過ぎ。チャン・ツィー、もう少し綺麗に撮ってやらないと。いくらこちらは真面目な女という設定でもメイクも照明もド地味、あれは可哀想。

そして何より音楽、これが暑苦しいことこの上無し。韓国監督ということで了解。音楽演出に関して洗練なんて微塵もない。恋愛的思いのキッカケとなるカットからは全部音楽を入れていく。顔のアップ、靴のアップ、手のアップ、絵、etc しかも何でこうあざといの?という位デカいレベル。さり気なさ、抑制、そんなもの皆無。でもこれお客が要求しているのなら仕方ないのかなぁ。あるいは作り手が見る側の感性をそう作ってしまったか。そういう意味では、映画的洗練には韓国も中国もまだ遠いのかも知れない。と十羽一絡げにしてはいけない。そうじゃないものだってある。邦画にだって音楽ベッタリ過剰で暑苦しいものはあるではないか。

監督 ホ・ジノ  音楽 チョ・ソンウ