映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2014.7.23「超高速参勤交代」丸の内ピカデリー 

2014.7.23「超高速参勤交代」丸の内ピカデリー 

 

「春を背負って」の翌日見たせいか、映画らしい映画で、嬉しくなってしまった。ちゃんと映画になっている。娯楽映画はこれでなくては。脚本は城戸賞受賞作。 松竹は大した宣伝もせずこんなのを作ってまたオオコケだと思っていたら、結構入った。お客さんって凄い。解っている。見て絶対損なし、楽しめる。この手が無さ過ぎる。

話は単純、参勤交代から帰ったばかりの1万五千石の小藩が、すぐにまた参勤交代せよ、さもなくばお取り潰し。背後には政争がある。よくある話。5日で上らねばならないという条件の中で知恵を搾り常識を無視し、邪魔が入り、思わぬ助けも入り、あわやというところで危機一髪、無事参上出来た、そして悪党老中は摘発される。お決まりの制約の中で映画的面白さを満載、役者も癖のある連中を適材適所、深キョンが可愛い。そして音楽が娯楽映画音楽の大道を行って良い。周防義和、職人になった。難しい弦でも何でもないが弦が効果的、メロも良い。付け方もツボを心得て無駄がない。本木監督、大したものである。

監督 本木克英  音楽 周防義和