2015. 6 23「靴職人と魔法のミシン」シャンテ
2015. 6 23「靴職人と魔法のミシン」シャンテ
地下に仕舞ってあった父親譲りの古びたミシン、これで修理した靴を履くとその靴の持ち主に変身出来る、そんな他愛もない小噺をNYの庶民を主人公に洒落た映画にした。ウディ・アレンのインテリNYとは一味違ったNYのユダヤ系移民が住む地区の映画。元は舞台なのではと思った。面白いストレートプレイにもミュージカルにも出来る。
死んだはずが実は生きていたという父親役のダスティン・ホフマンが渋くて良い。久々である。再開発を企む白人、その手先の黒人、追立をくうユダヤ人、こんな図式も良い。
音楽、Cla、アコ、バイブ、時々ジプシーVlのようなソロ、等の小編成。後半でSax、弦(Syn?)
も少し。シャンソン風、後半はジャジー。軽快でお洒落。
これ、舞台がパリでもローマでも成立しそう。
最後にデラックスなアメ車が出てきて、死んだはずの親父は大金持ちになっていたというオチは意見の別れるところか。生きてるだけで充分という気もする。
始めの方、靴職人の主人公は老母と住む家に帰るとまず真っ先にTVのリモコンの音声を小さくする、というシーンは我が事のように感じた。老人が居る家のTVのボリュームはどこも目一杯にあがっているのだ。
何より脚本がしっかりと練られている。こんな洒落た大人の、でも地味な小品、大げさな大作の一方でこういう作品をきちんと作る、アメリカ映画界の層の厚さに感服。