2015.9.11 「ミッションインポシブル ローグネイション」渋東シネタワー
2015.9.11 「ミッションインポシブル ローグネイション」渋東シネタワー
「ソ満国境~」終わって15分後にこれ。真逆から真逆へ。
いろんな映画があって良い。何かを伝えたい映画が「ソ満国境~」ならこちらは2時間ちょっと何も考えずに映画の世界に浸ってください、その間の充実は保証します、という映画。
久々のハリウッド大作、世界のエンタメの中心ハリウッドの知恵の結集である。「007スカイフォール」以来の見事なハリウッドらしい作品。面白いし感心してしまった。
脚本が良い。役者が良い。アクションは見事。撮影照明録音、技術パートはプロ結集の仕事。そして1カットといえどチープな絵がない、お金を掛けるとはこういう事と言わんばかりに豪華、手を抜く所無し。世界各地でロケして、どこもファーストカットは空撮から。ヘリ飛ばすと金掛かるから町中カットから入ろうなんてセコイことは考えない。
話の中心には、我々IMPは仲間を裏切らない、という筋が通る。イギリスもアメリカもスパイを使い捨てする中で、彼らは違う論理で行動するのだ。
フィナーレ、今作のスーパーヒロインとイーサンが向き合う。熱い口づけと思いきや、しっかと肩を抱き合う。これぞスパイという同じ運命を生きる者同士の信頼と友情、次回作で彼女は間違いなくIMPのメンバーとなっているだろう。良い終わり方だ。
音楽は鳴りっ放し。付いてないのは水中シーンくらい。それがどれも画面にピタッと合っていて話を運ぶ潤滑油になっている。(映像だけでは)持たないので後ろに這わせるというような付け方ではない。どれも画面の役割を心得ていて、それに合わせて書いている。この種の作品、画面の意味するものは明快。サスペンス、恐怖、驚き、甘美等、音楽がそれをさらに明快にしていく。こういうベタは心地よい。例のテーマも上手く料理されて生かされている。この辺は007と同じである。素晴らしいオーケストレーション、大変だったと思う。
話の早い展開、豪華な絵作り、魅力的な役者、派手なアクション、テンポある編集、それらをさらに加速する音楽、何もかも忘れて映画に身をゆだねることが出来た。
これぞ映画のひとつのあり方。完璧な娯楽映画。ハリウッド的知恵の結集。
監督 クリストファー・マッカリ― 音楽 ジョー・クレイマー
テーマ作曲 ラロ・シフリン