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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2016.2.8 「さらば、あぶない刑事」 丸の内TOEI

2016.2.8「さらば、あぶない刑事」丸の内TOEI

 

柴田恭平館ひろし、私と大した歳の差無し。それにしては体のキレ見事。TVを踏襲した軽いノリ、台詞も邦画にしては中々気が利いている。横浜を舞台に中国マフィア、南米組織、地元ヤクザが入り乱れて、対する二人は後5日で定年という設定。これは可笑しい。何とか問題を起こさず、無事定年を迎えさせてやりたいとお馴染みの回りが腫れ物にさわるようにしている。しかし結局はドンパチとなる。設定は可笑しいが、話は単なるヤクを巡る勢力争いの辻褄合わせ、深くない。深さを求めるのが間違いか。

どうしてもこの手のアクション、007と比べてしまう。すべての点で比べようもない。寄りばっか、ロングは僅か、豪華じゃない。仕方ない。二人は頑張っているのに。

音楽、タイトルにちょっとジャズっぽい曲、イケるかと思ったら、メロをTPがただ吹くだけ、アレンジはよくない。ブラスのカッコイイ劇伴を期待したのに。追っ掛け、アクションにはお決まりのリズムものが一本調子、007はこういうところにもメリハリのあるアレンジをしていた。こちらは多分素材録り、絵には合わせていない。そんな細かいこと邦画じゃやってられないのはよく分かるが。おまけに効果が入るとマスキングされて聴こえるのはスネアの音だけ。せめてステムでDBに持って来て、メロとか中低域のバランスを上げれば良かった。

運河沿い、ボートを追い駆ける柴田、“ミュージック、スタート”という台詞を言って走り出したのでカッコイイ劇伴が流れるのかと思ったら、柴田の歌だった。仕方ないのかもしれない。エンディングは館ひろしの歌だった。

敵役の吉川晃司が渋くなっていて良かった。

ここで私は自分が間違っていることに気が付いた。これはB級グルメなのだ。富士宮の焼きそばなのだ。ミシュランの☆がいくつも付いたフランス料理ではないのだ。そのチープさを楽しまなければいけない。007の様な空撮はない、大ロングの絵もない、何百分の一かの製作費で、チープを逆手に取って、B級映画の面白さをやっているのだ。深い話にしようなんて誰も考えていない。無理して似非A級を気取るより、初めからB級に徹しようとする態度は潔い。そうして見るとこの映画、B級の面白さ可笑しさに溢れている。脚本も演出も役者も、みんながB級に徹している。スイッチを切り替えたら、とっても面白い映画に見えて来た。音楽だけはもう少しやりようがあった気がするけど。

監督.村川透  音楽スーパーバイザー.佐久間雅一  音楽.安部潤   

エンディングテーマ.館ひろし