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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2017.1.9 2016年度総括 「M・I グランプリ」

コラム

2017.1.9 2016年度総括「M・I グランプリ」

 

このブログ、始めてちょうど一年である。昨年の元旦、それまでに書き溜めたもの125をアップしてのスタートだった。

昨年は劇場でちょうど100本の映画を観た。その内ブログに書いたものは70、忙しさにかまけて書き損なったもの、書く程のものじゃないなと思ったもの等、私の都合と主観で30本はアップしていない。さらには良い映画らしいが見損なったというものもある。だから本当に私の都合と主観で、2016年度の邦画の私なりのアカデミー賞をやってみようと思う。題して、「M・Iグランプリ」

 

音楽賞 コトリンゴ (「この世界の片隅に」)(拙ブログ2016.12.05) *以下"拙ブログ2016" 省略

多くの映画音楽の作曲家がプロとしてどんな要求にも応えられる技術を持っているが故に、監督の要求に合わせた選曲材料提供者にならざるを得ない状況の中で、コトリンゴRADWIMPSも自分たちの音楽しか出来ないという非職人的強みを発揮して自らの音楽世界を崩さないまま、映画の演出音楽として機能させた、自分たちの音楽世界を映像にぶつけて掛け算効果を生んだ、とっても音楽・映像両者にとって幸運な出会い。中でもコトリンゴ。従来型の映画音楽では「日本で一番悪い奴ら」(同7.15)の安川午朗が印象に残る。

 

作品賞 「湯を沸かすほどの熱い愛」( 監督.中野量太 )(同12.20)

「怒り」(9.21)「モヒカン故郷へ帰る」(4.21)「リップヴァンウィンクルの花嫁」(4.22)「SCOOP」(10.14)「セトウツミ」(9.14)「この世界の片隅に」(12.05)「日本で一番悪い奴ら」(7.15) 等、好きな映画は沢山あったが、迷うことはなかった。

 

監督賞 李相日 (「怒り」)(9.21)

これは迷った。「モヒカン」の沖田修一、「リップヴァン」で見直した岩井俊二、「SCOOP」大根、「この世界の片隅」の片渕須直、でも怒りのカオスをそのまま作ろうとした李監督にする。何より音の演出が上手い。

 

主演男優賞 綾野剛 (「日本で一番悪い奴ら」)(7.15)

迷ったのは主演にするか助演にするかであった。「リップヴァン」では神様の使いッパの如き役、「怒り」では寡黙薄幸の同性愛者、「64」では真っ当な警察の広報官、私が見たものだけでもどれも全く違う役柄。それを見事にこなしていた。中でも「日本で一番」の無精ひげに鼻水は一番カッコよかった。

 

主演女優賞 宮沢りえ (「湯を沸かすほどの熱い愛」)(12.20)

女優で印象に残った作品が少なかった.見そこなっているのかもしれない。対抗馬としては「後妻業の女」(8.30)の大竹しのぶくらい。

 

助演男優賞 菅田将暉

これは一番迷った。

菅田将暉、「ディストラクションベイビーズ」(6.08)「何者」(10.21)「セトウツミ」(9.14)そして「溺れるナイフ」(11.18)、疾走するチンピラ感がたまらない。今チンピラがここまで似合う役者は他にいない。

妻夫木、「家族はつらいよ」(3.15)で真っ当をやったかと思えば、「怒り」ではエリートのゲイ、「ミュージアム」では言われて見ないと分からない程のメイクで犯人を演じた。善良好青年しかやれない風貌を超えようと敢えて異質の役柄に挑む、その姿勢は立派だ。そう言えば数年前の「黄金を抱いて飛べ」の髭面の妻夫木はカッコよかった。

もう一人、リリーフランキー、「女が眠る時」(3.11)「シェルコレクター」(3.17)「二重生活」(7.22)とつまらない作品の中でもしっかりと存在感を出していたし、「お父さんと伊藤さん」(10.13)では立派な演技者になっていた。けれど「SCOOP」の薬中チャラ源はリリーらしくて良かったなぁ。

この三人、誰を選んでも良い。

 

助演女優賞  杉咲花 (「湯を沸かすほどの熱い愛」)(12.20)

これは迷わなかった。この娘以外に考えられなかった。

「淵に立つ」の向井真理子、「アズミハルコは行方不明」と「怒り」の、真逆の高畑充希が印象に残る。

 

外国映画賞 「ラサへの歩き方 祈りの2400キロ」

あまりに今居る自分と違う世界。流れる時間と空間が全く違う。ドキュメンタリーかフィクションか見分けがつかない。こんな世界あったのか、こんな映画ってあったのか、こんな作り方ってあったのか。

 

以上、2016年度、M・Iグランプリでした。