映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2017.12.23 「『羅生門』『用心棒』」上映会」 1/20に開催

2017.12.23 「映画音楽の名作を観る-黒澤明監督特集『羅生門』『用心棒』」上映会」、1/20に開催

 

練馬区文化振興協会主催で「映画音楽の名作を観る-黒澤明監督特集『羅生門』『用心棒』」上映会」が来年 (2018) 1月20日 (土) に開催されます。2作品の上映の合間のミニトークにお声が掛かりました。私如きでよろしければということで、お引き受けしました。邦画の映画音楽に焦点を充てた珍しい企画、こんな上映会をするなんて私としては嬉しい限りです。『羅生門』の音楽は早坂文雄、『用心棒』は佐藤勝、師弟の関係です。共に黒澤映画を支え、また黒澤の要求に苦しみ戦った二人です。

映画監督がどうしても御することが出来ないのが音楽家と言われています。監督が自分の意向通りに作曲させる、音楽家から引き出す、これは至難の技です。まずは”言葉”で意向を伝えますが”言葉”の意味は人それぞれに微妙に異なる。音楽という抽象を伝えるのに”言葉”は非力です。そこでクラシックやら具体的な音楽を”こんな感じ”とコミュニケーションツールとする。この具体は音楽家を悩ませることになります。音楽をめぐるコミュニケーションは両者を疲れ果てさせます。それでも音楽が思い通りに行かない世界の巨匠たちは、年齢による思考の硬直化もあるのでしょう。晩年は伝えようとする努力をしなくなり、既成のクラシックの選曲でやるようになっていく。ようやく思い通りになった。でも監督の演出意図を超える音楽の掛け算効果はない。確実な予定調和の足し算効果止まりです。黒澤の最後の2本「八月の狂詩曲」「まあだだよ」はクラシックの選曲でした。

そうなる前の黒澤の必死で音楽家とコミュニケーションを取ろうとしていた頃の代表作がこの2本です。

黒澤と音楽家たちの戦いについては既に多数の書籍が出ています。当日、私に与えられた時間は20分位、深い話は出来ないし、私は研究者ではないのでその能力もない。佐藤 (勝) 先生から聞いた話などをランダムに話してみようと思います。

 

日時   2018. 1. 20 (土)  開場 12時30分

場所   練馬文化センター小ホール 西武池袋線練馬駅徒歩1分

全席指定 1000円

チケット 練馬文化センターチケット予約専用電話 03-3948-9000 (10時~17時)

         ネット予約販売 http://www.neribun.or.jp/

         練馬文化センター大泉学園ゆめりあホール窓口(10時~20時)