映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2019.7.17「愛がなんだ」テアトル新宿

2019.7.17「愛がなんだ」テアトル新宿

 

「旅のおわり世界のはじまり」があまりに肩透かしの薄味だったので、続けて同じテアトル新宿で「愛がなんだ」を観てしまった。何とこちらも薄味、というか今時アラサー女の恋愛事情、僕には全く感じるものが無かった。二本続けて心は動かされず。文句溢れて感動無し。

角田光代の原作、今時のアラサー女のリアルがあって解る! と感じる人はいるのかも知れない。

都合良く勝手な男マモル (成田凌) と都合良く遊ばれている女テルコ (岸井ゆき) 、都合良く男を侍らせている女葉子 (深川麻衣) と解っていても献身的な男ナカハラ (若葉竜也)、どっちもどっち。要は惚れてしまった弱み。それを手変え品変えて色んな理屈を付けて描く。最後はその関係を卒業して次の段階へと行く? 見事逆転して相手に惚れさせる? そこが明快ではないのでカタルシスがない。こいつら恋愛以外に考えることがないのか。きっとそうなのだ。そんな奴らは決まってデザインだの雑誌の編集だのの仕事をしている。

そんな青春をおくらなかったヤッカミかもしれないが、何かペラッペラだ。

 

音楽・ゲーリー芦屋。タイトルバックでGがカットインしたのはカッコ良かった。GとEPfとパーカッションのバンド編成、少ないが付けるべき所に的確に付けている。 後半は弦カルが簡単な白玉だが効果的。主演の岸井ゆきと音楽だけが良かった。

 

監督. 今泉力哉      音楽. ゲイリー芦屋