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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2011.6.17 「奇跡」スバル座 

2011.6.17 「奇跡」スバル座 

 

なんと子供が生き生きとしていることか。

JR東日本の、九州新幹線全線開通を記念した企画。JRもシャレたことをする。それをしっかりと自分の映画にした是枝監督が大したもの。

母と一緒に鹿児島、父と一緒に福岡に住む兄弟。新幹線がすれ違う瞬間に願い事をすれば叶うと信じて、兄弟とその友達が、中間点の熊本へ向かう。初めての冒険旅行。スタンドバイミーである。前半の細かい日常、“理解でけへん”等の会話、それらが実に生き生きとしていて、子供の視点。決心して冒険を決行する気持ちがこちらも子供になってひしひしと伝わってくる。ドキュメンタリー的手法がそれを引き出している。

熊本で出会う高橋長英、リリィー夫婦のエピソードが実に効いている。

たった一晩の冒険。只今!と日常に戻り、それが事件になるでもなく、そのままこれまで通りの日々が始まるのだが、彼等は確実に変わった。一皮脱皮した。結局、家族4人で暮らしたいという願いは、兄弟とも、列車がクロスする瞬間に言い損なう。それが良い。親の事情をふたりは超えたのである。何時の時代も子供の方がしっかりしているのだ。

音楽・くるり てっきり女性ユニットかとおもっていたら、男二人。カントリー風フォークロックとでも言おうか。とにかく素朴。それが合っている。フォークギターのアルペジオにペースとドラムといった感じ。それにハモニカ、ペダルスティール、シンセが時々。ゆるくヘタ上手な演奏、簡単な音楽だが、この映画には合っている。最後のローリングの歌も良い。何か嬉しくなる映画である。

監督.是枝裕和  音楽.くるり 主題歌.くるり