映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018.08.24「Wind River」角川シネマ有楽町

2018.08.24「Wind River」角川シネマ有楽町 大分時間が経ってしまったが、良い映画だったのでメモと記憶を絞り出して記す。記憶違いあるやも。 アメリカは広い。舞台はワイオミング州だという。ワイオミングと言えば「ララミー牧場」だ。緑豊かな…

2018.10.01「 モリのいる場所」 シネリーブル池袋

2018.10.01「 モリのいる場所」 シネリーブル池袋 大分時間が経ってしまったが、良い映画だったのでメモと記憶を絞り出して記す。記憶違いあるやも。 30年間自宅とその庭から一歩も出なかった伝説の画家・熊谷守一をモデルにした沖田修一監督の作品…

2018.12.18 「青の帰り道」 新宿バルト9

2018.12.18「青の帰り道」新宿バルト9 東京からそう遠くない地方都市 (あとで前橋と分かる) 、そこの7人の高校生、煙草を吸い、ギターをかき鳴らして自作の歌を唄い、写真を撮り、学生生活を謳歌する。畑の中を真っ直ぐに伸びる一本の道、冒頭、校…

2018.11.29 「鈴木家の嘘」 新宿ピカデリー

2018.11.29「鈴木家の嘘」新宿ピカデリー 「○○家の~」というとどうしてもコメディを想像してしまう。ましてや岸部一徳だ。これは軽いホームコメディに違いない。ところがノッケから引き籠り息子の首つり自殺だ。でも肝心なところは写さず避けてい…

2018.11.09 「日日是好日」 シネリーブル池袋

2018.11.09「日日是好日」シネリーブル池袋 大森立嗣監督、麿赤児の息子、弟は大森南朋。関わった人は、荒井晴彦、阪本順治、井筒和幸、荒戸源次郎、等(情報・ウィキペディアレベル)。「まほろ駅前多田便利軒」「さよなら渓谷」「光」といった作…

2018.10.16 「散り椿」 新宿ピカデリー

2018.10.16「散り椿」新宿ピカデリー 端正な映画である。シーンシーンがまるで一服の絵の様、完璧で美しい。きっと要求通りの天気になるまで平気で待ち続けた黒澤映画の様な撮影をしたのだろう。脚本 (小泉堯史) も出来る限り削ぎ落とす、おそらく…

2018.10.15 「止められるか、俺たちを」 テアトル新宿

2018.10.15「止められるか、俺たちを」テアトル新宿 1970.11.25 三島由紀夫が割腹自決をした。それを若松孝二 (井浦新) が ”本気だったんだ”という。 あの頃の新宿ゴールデン街、行った事がある店が出てくる。若松、足立正生、荒井晴彦、大和屋竺…

2018.09.13「検察側の罪人」新宿ピカデリー

2018.09.13「検察側の罪人」新宿ピカデリー キムタク、ニノ、夢の競演が売り。人気者二人、スケジュールはピンポイントだったのだろう。脚本を詰め切れてないのは明らか。原田監督自身の強い思いの企画ならいざ知らず、そうでなければ脚本に第三者…

2018.08.27 「カメラを止めるな ! 」 TOHOシネマズ新宿

2018.08.27「カメラを止めるな ! 」TOHOシネマズ新宿 ユーロスペースに行ったら満席、次の回も立ち見です、この歳で立ち見はキツイ。拡大公開になってTOHOシネマズ新宿に行ったらまた満員、次回も満員です。先日ようやく観ることが出来た。左端、…

2018.08.28「銀魂2 掟は破るためにこそある」丸の内ピカデリー

2018.08.28「銀魂2 掟は破るためにこそある」丸の内ピカデリー パチンコのプロの話だと思っていた。前作は観てない。原作が漫画らしいことは想像がついた。パチプロの話ではなかった。 テレ東深夜で福田雄一の名前は知っていた。福田のドラマはペ…

2018.08.20 「オーシャンズ8」丸の内ピカデリー

2018.08.20「オーシャンズ8」丸の内ピカデリー 暫く映画から遠ざかっていた。久々の復帰。まずは軽めの作品で。 これ予告編を観て、絶対観ようと思っていた。予告編の音楽が「旅立てジャック」だったから。’60のオリジナルではなく今風カバーだっ…

2018.07.26 「女と男の観覧車」 丸の内ピカデリー

2018.07.26「女と男の観覧車」丸の内ピカデリー ウッディ・アレン師匠のNYマンハッタン亭、今宵のお噺はケイト・ウィンスレットを主演に迎えてのロングアイランド物語、相変わらずの軽妙洒脱な語り口、これ既に名人の域、まずはその芸をご堪能あ…

2018.07.02 「万引き家族」 Tジョイ大泉

2018.07.02「万引き家族」Tジョイ大泉 この監督の手に掛ると何で子供たちはこんなに生き生きとするのだろう。お兄ちゃんは見事に演技をしているし、妹は演技を越えて役その物として存在している。書かれた台詞を言っているのではない。恐らく設定…

2018.07.01 「終わった人」 丸の内TOEI

2018.07.01「終わった人」丸の内TOEI 会社が全てだった男(舘ひろし)が定年を迎えた。何をしてよいかわからない。腑抜けの様になる。10年以上前のテーマだ。とは言いながら、今も僕の周りでは定年になって、午前中が長くって、とか、何をしてよ…

2018.07.03 「空飛ぶタイヤ」 丸の内ピカデリー

2018.07.03「空飛ぶタイヤ」丸の内ピカデリー かつて邦画には社会派エンタテイメントというジャンルがあった。代表的な監督は山本薩夫である。「白い巨塔」(1966)「華麗なる一族」(1974)「金環蝕」(1975)「皇帝のいない八月」(1978)等、企…

2018.04.10「素敵なダイナマイトスキャンダル」 テアトル新宿

2018.04.10「素敵なダイナマイトスキャンダル」テアトル新宿 原作は雑誌「写真時代」の伝説の編集者末井昭の自伝。僕より一つ二つ上か。ほとんど我が青春と重なる。喫茶店のシーン、青臭い議論にさえ加われず、奥で一人暗く座っている僕が居てもお…

2018.03.23 「羊の木」 渋谷シネパレス

2018.03.23「羊の木」渋谷シネパレス 仮釈放された犯罪者6人が北陸の小さな町魚深に新住民としてやってくる。刑務所の経費削減、町の過疎対策、両方を兼ね備えた極秘の国家プロジェクト、自治体が身元引受人となり仕事を斡旋、最低10年そこに住む…

2018. 2. 24 「犬猿」 テアトル新宿

2018.2.24 「犬猿」テアトル新宿 予告編、多分漫画が原作の今風青春物、タイトルも「恋する君の隣には」、性懲りもなく三番煎じ企画、一体どこが作ったんだ。最後に素人の女の子の、もう感動しちゃって、というコメント映像が流れる。素人にしては…

2018.2.07「嘘を愛する女」日比谷シャンテ

2018.2.07 「嘘を愛する女」日比谷シャンテ 5年も一緒に暮らしていた男の、名前も仕事も免許証も嘘だった、全く何者か解らない、こんなことってあるだろうか。どこかでアレっ? と思う瞬間は無かったか。 ふとしたことから猜疑心が起きる。一旦起き…

2018.1.26 「DESTINY 鎌倉ものがたり」 新宿ピカデリー

2018.1.26「DESTINY 鎌倉ものがたり」 新宿ピカデリー 鎌倉である必然性が全くない。鎌倉はお化けも死者も普通に共存する、何故? 多少は鎌倉の歴史なり地形を紐解いて、簡単な理由づけのひとつもあれば。鎌倉はそう言う所です、ご了解下さい、で始…

2018.2.09 「スリー・ビルボード」 シネリーブル池袋

2018.2.09 「スリー・ビルボード」シネリーブル池袋 アメリカ中西部ミズーリ州の片田舎、黒い山並みと町のロングにソプラノで「庭の千草」 (原曲はアイルランド民謡) が流れる。荘厳な感じがする。何が始まるのか。 中年女ミルドレッド (フランシス…

2018.1.23 「M・I グランプリ 2017」

2018.1.23 「M・Iグランプリ2017」 このブログも3年目に突入した。昨年に続き2017年の総括をしてみようと思う。 2016年はちょうど100本の映画を見た。2017年は半減、邦画30本、洋画29本、その内ブログにアップしたもの36本(邦15本、洋21本)。コラム…

2018.01.16 三縄一郎さんの訃報

2018.01.16 三縄一郎さんの訃報 三縄さんが昨年12月16日に亡くなっていた。99歳。知らなかった。年賀状を出したら、ご遺族からその旨記した手紙が来た。葬儀は家族葬として行ったとのこと。それにしても新聞には載ったのだろうか。新聞をあまり読…

2018.01.07 貝山知弘さん、追悼

2018.01.07 貝山知弘さん、追悼 1月7日、貝山さんが亡くなった。84歳だった。 僕は貝山さんを勝手に僕の唯一の師匠だと思っている。 1976年、売れてるアーティストのいない東宝レコードの名ばかりの新米ディレクターだった僕は毎月の編成会議が苦…

2017.12.27 「勝手にふるえてろ」 シネリーブル池袋

2017.12.27 「勝手にふるえてろ」シネリーブル池袋 自意識過剰で妄想癖の恋愛初心者ヨシカを松岡茉優が熱演。憧れのイチには鼻も掛けられず、二の本気度に気付いてハッピーエンドとなる、あまりにもよくある話。イチとは高校の頃から憧れ続ける一…

2017.10.10 「ダンケルク」 新宿ピカデリー

2017.10.10 「ダンケルク」新宿ピカデリー 今頃「ダンケルク」、昨年秋の映画。二度見したかったのだが、その機会を逸した。直後のメモを頼りに記す。細部の記憶は曖昧。 映画は文学と美術と音楽と科学技術を総動員して作り出す表現である。そこか…