映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2015. 6 25「駆け出し男と駆け込み女」新宿ピカデリー

2015. 6 25「駆け出し男と駆け込み女」新宿ピカデリー

 

時間間違えて10分程経過、迷ったが入った。前から2列目の右端、最悪の場所。肌のブツブツか画面の粒子のブツブツか、そんなことが気になってとても映画を観る環境じゃない。適当に見よう、眠くなったら寝てしまおうと臨むも引き込まれた。

頭の10分がどの位影響しているか分からないが初めはちょっと筋が解らず。その辺割り切って観る内にそれらは全く気にならなくなり没頭。

戸田恵梨香が良い、大泉も満島も、きちんとオーソドックスに時代劇を演じている様で時々今風、そのバランスが程よい。樹木希林はアドリブ、多分。

いや脚本が良く出来ている。井上ひさしの原作をオリジナルに近い位脚色したとのこと。原田正人、見直した。最後に馬琴で〆るあたり、虚実皮膜でリアリティあり。

東慶寺のトップの尼さんの秘密の部屋には禁書があったなんて「薔薇の名前」である。

音楽、富貴晴美。最初(?)に入ったメジャーの朗々とした音楽には違和感あったが、ほとんど途中に音楽を付けず大正解。最後のローリングでちょっとアラブっぽいというかコーランっぽい曲、とっても良かった。

ロケ場所も良かったしセットもちゃっちくなかった。結構お金掛かっているのでは。西洋受けする和のテイストは意識的に入れたのか。編集もテンポ良く、無駄はそぎ落としている。背後の時代背景もしっかりと匂わせ、これはちゃんと見直すべきかも。

監督 原田眞人  音楽 富貴晴美