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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2015.7.31「HERO」T・ジョイ大泉

2015.7.31「HERO」T・ジョイ大泉

 

TV観てなかった。ほとんど初めてのHERO体験。これまでの実績があり、各キャラクターも出来上がっている。それを動かせば良いのだから一番話の作りやすい状態である。もちろん興収50億を狙わねばならないという大変なプレッシャーはあるけど。

大使館絡みの殺人が起こり、何とか塀を越えて捜査したいという久利生と面々、そこに松たか子の前の事務官と北川景子の今の事務官の女心が絡む。話は良く出来ている。出来上がったキャラを上手く使い心配のない予定調和。演出も遊び充分で余裕。脇は芸達者揃い、松たか子は見事にコメディエンヌぶりを発揮。大したもの。今、シリアスもコメディエンヌもやれる数少ない女優。

唯一、言ってもしょうがないのだが、キムタクの芝居。ぶっきら棒、ヘンな間、突然思いつきのように変える話題、おそらく演出というよりキムタクの意向。キムタクが狙っている成りたいキャラ。上手くいってるところもある。しかし最終的に軽妙さがない。これは外見も含めた天性のもの、多分努力ではない。水谷豊しかり、田村正和しかり、コロンボしかり、松田優作しかり。キムタクにはこの軽妙さがない。努力しているとは言えるが、そこだけが気になる。話はご都合主義の所もあるがそこはエンタメ、リアルを追及しても筋違い。音楽がしっかりしているなあと思ったらローリングで服部隆之。やっぱりちゃんと書ける人の劇伴は違う。

TVで8/1「HERO」スペシャルを観る。中井貴一が殺人犯で早く起訴してくれと言い続ける山口を舞台にした話。何回目かのオンエアらしい。映画よりこっちの方が良かったかも。つまりこの企画、当たり前だが企画自体がTVサイズで、映画ではないということだ。TVとしてはかなり良質である。本が良い。音楽も服部隆之、普通のTVの音楽とは一味違う。キムタクの臭さも気にならない。

TVを映画にすると微妙なところが拡大されて面白くなることもあれば鼻につくようになることもある。キムタクの、演技というより自分の素を出す芝居が映画では臭くなってしまう。かと言ってTVではこのキャラが受けたわけだから、難しい所。

監督 鈴木雅之  音楽 服部隆之