2016.7.22 「二重生活」 新宿ピカデリー
2016.7.22「二重生活」新宿ピカデリー
哲学科の大学院生 (門脇麦) が卒論のテーマに”尾行”を取り上げる。指導の教授(リリー・フランキー)のサゼスチョンによるものだ。尾行の相手は近所に住む出版社のやり手編集者 (長谷川博己)、美しい妻と可愛い娘と立派な家がありパーフェクト。
尾行する内に別の女の存在が解る。その女から、”奥さんから頼まれたんでしょ?”と疑られ、長谷川にもバレる。長谷川に、哲学科の卒論で云々、心が埋まらない云々、尾行してこの卒論を書けばもしかして埋まるのでは云々、と話す。陳腐だと一蹴される。
教授は余命幾ばくもない母を妻と見舞う。母は妻 (西田尚美) を見て安心し、程無く亡くなる。妻は母を安心させる為に派遣会社に依頼した売れない劇団の女優だった。全てが済んで卒論を採点した後、教授は自殺する。
一旦は浮気がバレた長谷川だが元の鞘に収まって何事もなかったように朝の見送りの風景が繰り広げられている。それを思わずみつめてしまう女、それに気ずいてか見返す長谷川の目。確か終わり方はこんなだったか。記憶不確か。
ところで、だから何なのだ。この映画、見る者に何を伝えたかったのか。女の埋まらない心って何なんだ。尾行して論文書いてそれは埋まったのか。あの教授は何なんだ。
音楽、岩代太郎、Pfの短いフレーズをボロンボロンと画面に合わせて入れる。多分予算的な事も含め、それしかやりようが無かったのだ。少しSynの木管が入る。
この映画を作った意図が解らない。
監督.岸善幸 音楽.岩代太郎