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映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2012.12.10「恋のロンドン協騒曲」シャンテ 

2012.12.10「恋のロンドン協騒曲」シャンテ 

 

ウディ・アレンはロンドンが嫌い、そんな気がしてならない。

例によってエッセイ的映画。「日の名残」の老名優、アンソニー・ホプキンスが歳に抗い肉体を鍛錬、妻と別れて米人のコールガールと思しき女に入れあげ再婚、娘・ナオミ・ワッツは画廊のオーナーと不倫になりそうになるもフラれ、その旦那は書けなくなった小説家、窓越しに見える隣の若い女に入れあげる。アンソニー・ホプキンスの別れた妻は怪しげなメディテーションにはまっている。ロンドンの多分上流階級・資産家一家の恋愛沙汰悲喜こもごも、それを要領よく並べて話を運んでいく。しかし「ミッドナイトインパリ」の心ときめく感はない。

最後は、娘の旦那の盗作がばれそうな予感を残して終る。どのカップルも結局元に戻るといった落ち着き所もない。だからと言って新しい生活に踏み出すといった前向き感もない。破綻し回復しないまま映画は終る。もともとしっかりした物語よりも心境をエッセイ風に並べるのがウディの映画。しかし前はそれなりにオチを付けていた。この映画にはそれがない。歳を取ると無理に話を纏めるのに意味を感じなくなるのかもしれない。あるがままを並べる。それが詩的な表現になっているのなら良いのだが。

一言でいえば、西洋軽目艶笑小噺といったところか。

ナオミ・ワッツが中年女の魅力を目一杯発揮して素敵。彼女の体の線が分かるニットや程よく露出する胸の谷間で、この映画を見通すことが出来た。ウディ・アレン、女を見る目だけは衰えていない。40女の魅力、ナオミ・ワッツ、30女の魅力、スカーレット・ヨハンソン。映画は魅力的な女が映っているだけで見てしまえるものである。

音楽は相変わらずの上手い既成曲の選曲。

監督 ウディ・アレン  音楽のクレジット無し