2014.2.19「ウルフ オブ ウォールストリート」丸の内ピカデリー
2014.2.19「ウルフ オブ ウォールストリート」丸の内ピカデリー
マーチン・スコセッシ、若いなぁ。こんな今時風の映画を撮れるなんて大したもの。ディカプリオも最近の中では一番良い。成り上がりの、金とドラッグとセックスまみれの株屋を、初めから終りまでハイテンションで演じきった。
アメリカという国は、どうしようもなくこういう男をヒーローと感じてしまう。普通に見れば、詐欺師で薬漬けで手当たり次第ヤリまくる、とてもヒーローではない。こいつが家庭は大切にして子供は溺愛する。そしてハンサムで口が上手い。アメリカンヒーローのパターン。それがアメリカンドリームを作る。
既成曲を途切れることなく垂れ流して一気呵成、ジェットコースター。しかし長い。いらないシーンが一杯ある。船の難破なんて要らない。おばさんとの公園のシーンもいらないか。ライブドア・堀江のスケールアップした二枚目版。堀江の方が頭が良くて逃げ道を考えていた。こいつはただ感情の赴くまま。それがカッコいいと感じさせるのだろう。創業の頃からの社員のおばさんが、最初は子供の学費が無くて訪れた時、その場で25000ドルの小切手を渡したという安っぽい人情話が、一気呵成の中でふっと語られると何故か泣きそうになった。感覚が麻痺させられていたのか、軽い洗脳をされていたのか。
オリジナルの劇伴はない、と思ったのだがクレジットにはハワード・ショアとある。「フライ」「裸のランチ」「ロードオブザリング」等をやった超ベテラン。オリジナル音楽は私の記憶にはないのだが。既成曲の当て方は上手い。音楽スーパーバイザーとして、ロビー・ロバートソン、懐かしい!
監督 マーチン・スコセッシ 音楽 ハワード・ショア