2016-01-01から1年間の記事一覧
2016.7.11「ふきげんな過去」テアトル新宿 小泉今日子は魔女である。彼女の中には現実と非現実が混在する。リアルを演じても背後にシュールが起ち現れる。そう演じているからそうなるのではない。彼女の意図を超えてそうなる。こんな女優、他にいな…
2016.7.15「日本で一番悪い奴ら」Tジョイ大泉 ほっそりスマートな綾野剛が柔道選手で、それを見込まれて北海道警に入った、という初っ端で躓いた。耳はメイクで潰しているもののどう見たって柔道の猛者には見えない。 言われたことに忠実な新人・諸…
2016.7.8「マネーモンスター」Tジョイ大泉 本番前のTV局、人気司会者.リー・ゲイン (ジョージ・クルーニー)、敏腕ディレクター.パティ・フェン ( ジュリア・ロバーツ)、慌しい打ち合わせ、動き回るスタッフ、カメラはそれを手持ちで追い回す。矢継…
2016.7.1「葛城事件」Tジョイ大泉 理詰めの生硬な台詞、それを滑舌良く輪郭のはっきりした台詞回しの三浦友和が朗々とやる。押しつけがましく息苦しい。夫斯くあるべき、家族斯くあるべき、父親斯くあるべき、男斯くあるべき、ゆるぎない信念を持ち…
2016.6.23「エクス・マキナ」(Ex.Machina) 池袋ヒューマックスシネマ フランケンシュタイン博士、天馬博士、洋の東西を問わずマッドサイエンティストの夢は“人間を作りたい”、ネイサン (オスカー・アイザック) もこの系譜に属する。 世界的検索エン…
2016.6.20「ズートピア」(吹き替え版) 新宿ピカデリー アニメとミュージカル (舞台も映画も) はどうも好きになれない。友人から、“いいから見てみろ”と言われて見た。感動してしまった。 セルにしろCGにしろ、どちらの質感も好きではない。これはCG…
2016.6.18「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」新宿ピカデリー 生きることに何の感動も感じない貴族の跡取りが自殺を試みるもどれも失敗、偶然知ったブリュッセルの自殺請負の代理店で、時間も場所も方法も知らされない、突然の事故に…
2016.6.13「教授のおかしな妄想殺人 」シネリーブル池袋 ウッディ・アレンは今や思いついた企画は何でも実現出来る人の様だ。近年の多作ぶりは目を見張る。話はどれも殆どワンアイデア。締めは、“人間この不可解でいい加減な、愛すべき生き物”、そ…
2016.6.08「ディストラクション・ベイビーズ 」シネリーブル池袋 海沿いの中小造船所の様子が続く。香港のスラムみたい。予告編にしては長いカット、と思ったら喧嘩する柳楽優弥、本編が始まっていた。メインタイトルも何もない。そこに向井秀徳の…
2016.6.03「殿、利息でござる ! 」Tジョイ大泉 ここの所「ボーダーライン」「レヴェナント」と重い映画が続いた。久々の気楽に楽しめる映画、ホッとする。何せ善人しき出てこない。話も全てにオチが付いて完璧、曖昧未消化は一つも無し。見事に予定…
2016.5.20「レヴェナント」Tジョイ大泉 アイルランド系とイタリア系の戦いだったり、ヒスパニックとの戦いだったり、黒人差別だったり、そっちにばっかり目が行っていたが、そもそも新大陸に上陸した白人は原住民であるインディアンを侵略し虐殺し…
2016.5.18「ボーダーライン」角川シネマ有楽町 カナダ人、ドゥニ・ビルヌーブ、「灼熱の魂」の監督。中東のどこか、民族と宗教が対立して引き起こした混沌、そこで人間の尊厳やら命の大切さやら親子の繋がりやら、人類が築き上げた共に生きていく為…
2016.5.27「海よりもまだ深く」Tジョイ大泉 冒頭、公団アパートでの、例により樹木希林 (母) のどこまでがアドリブか解らない絶妙なやり取り、相手が小林聡美 (嫁いだ長女) だから申し分ない。その後、突然、見慣れた電車が大きくカーブを切ってす…
2016.5.06「スポットライト 世紀のスクープ」Tジョイ大泉 社会派エンタテインメント。オスカーの脚本賞と作品賞を受賞した。 カトリックの聖職者の幼児に対する性的虐待を、アメリカの地方紙ボストングローブが告発した実話に基づく話。こういう“実…
2016 5 2「ゴジラ音楽祭 in 京都」開催 一昨年7月、東京オペラシティにて初めて「ゴジラ」(1954)を完全上映して、それに合わせて音楽を生演奏するという、上映会と演奏会の合体企画をやりました。大変好評で、昨年1月には東京NHKホールで再演をしまし…
2016.4.25「ルーム」日比谷シャンテ 先日も千葉大の学生が少女を2年間監禁するという事件があった。7~8年前には新潟で7年に及ぶ長期の監禁事件があった、確か。おぞましいが現実、頻出している。 17歳で誘拐され納屋に監禁され、犯人の子供を産み、…
2016.4.22「リップヴァンウィンクルの花嫁」Tジョイ大泉 岩井俊二は苦手である。映画の内容というよりも、如何にも山の手インテリ小ジャレてハイセンス、今時女子の受け要素で固めて、caféよりも居酒屋下町ノリの当方とは意匠が違う。今回も“リップ…
2016.4.21「モヒカン故郷に帰る」スバル座 この監督の「キツツキと雨」はとっても好きである。「南極料理人」も「横道世之介」も良かった。話をガチガチに詰め込まない。独特のルーズさがある。シーンの展開は余計な説明などせず早い。だがシーンの…
2016.4.10「さざなみ」シネスイッチ銀座 イギリスの片田舎に引退して静かに住むケイト (シャーロット・ランブリング) とジェフ(トム・コートネイ) の夫婦。静かな田舎の風景が美しい。結婚45周年のパティ―をひかえた、その前一週間の物語。子供は居…
2016.4.5「百円の恋」テアトル新宿 安藤サクラ、日本アカデミー最優秀主演女優賞受賞凱旋記念と称しての上映。成程、安藤サクラで成立している映画である。 32歳のグウタラダメ女が、中年のこちらもダメ男 (新井浩文) に歳の割には可愛い恋をして、…
2016.3.18「エヴェレスト 神々の山嶺」Tジョイ大泉 作家に文体があるように作曲家にも自分のメロディというものがある。それは生理に近い。それを超えようと、偶然性の音楽、理論に即した作曲、数学に委ねた作曲等、様々な試みがなされている。個人…
2016.3.15「家族はつらいよ」丸の内ピカデリー 「母と暮らせば」の前に出来ていた作品。「東京家族」のキャストをそのままに喜劇とした。「家族はつらいよ」のタイトルは「男はつらいよ」と少しでも連動させようとする営業サイドが付けたネーミング…
2016.4.1「ハッピーアワー」テアトル新宿 昨年のキネ旬の邦画第三位、5時間17分という長さが話題となった映画。テアトル新宿で一週間だけの上映があった。3つに分けての上映、分け方は全くのぶった切り。2回の10分の休憩、高齢者は助かる。 役者は全…
2016.3.29「リリーのすべて」みゆき座 肉体は生まれた時から男女の違いを明白に示す。しかし意識は後付けの様な気がしてならない。肉体と同じ様に、男の意識、女の意識、と明確に違う構造になっているのだろうか。脳内に先天的に明確な違いがあるの…
2016.3.26「遠雷」(1981.10.24公開) フイルムセンター 京橋フイルムセンター「現代日本の映画監督4 根岸吉太郎」、根岸作品を2週に渡って特集。「遠雷」を観た。公開当時観ているが、遠い記憶の彼方、思い出すのは石田えりの日本人離れしたオッパイ…
2016.3.17「シェル・コレクター」テアトル新宿 原作はアメリカだそうな。それを沖縄に持ってきた。渡嘉敷島の孤島に一人暮らす盲目の貝類学者 (リリー・フランキー)。流れ着いた画家の女 (寺島しのぶ) の奇病をイモガイの毒で直してやる。それを聞…
2016.3.16「マジカル・ガール」ヒューマントラスト有楽町 12歳の頭を短髪にした華奢な少女アリシアが突然セーラームーン (私はこの手のキャラ、これしか知らない、もっとジャストなアニメがあるのだろう) の様な格好をして長山洋子の「春はSA-RA ,S…
2016.3.11「女が眠る時」Tジョイ大泉 書けなくなった、ヤレなくなった作家 (西島秀俊) が、リゾートホテルで見かけた初老の男と若い女の如何にも訳有りカップルを見て、妄想を膨らませて、その力で次作を書き上げ、妻ともヤレて妊娠する、という話…
2016.3.13「ブルージャスミン」DVD 2014.5.10公開 ケイト・ブランシェットという女優を良く知らなかった。「キャロル」を観て急ぎこのDVDを観た。 NYのセレブ、社交界の花形だった女、夫はITなのか金融なのか分からないが、ほとんど詐欺同然の行為…
2016.3.8「マッドマックス 怒りのデス・ロード」丸の内ピカデリー ようやく観た。大きなスクリーンで観られて良かった。これこそ大画面大音量で観ないと魅力は半減する。 セットも車も火薬もスタントもかつてより数段アップ、そこにCGが加わり、これ…