映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2016-01-01から1年間の記事一覧

2016.3.4 「マネー・ショート 華麗なる大逆転」 Tジョイ大泉

2016.3.4「マネー・ショート 華麗なる大逆転」Tジョイ大泉 リーマンショックをいち早く予測して、空売りを浴びせ、大儲けをした4人の男、原作はこの男たちのノンフィクションだそうである。相当面白いはずだ。それを映画にする? ノンフィクションは…

2016.3 . 1 「キャロル」 渋谷シネパレス

2016.3.1「キャロル」渋谷シネパレス ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ、この二人の女優の素晴らしさに尽きる。パトリシア・ハイスミスの自伝的(?)原作。1950年代のNY。上流社会に属するキャロルと写真家を目指す若きテレーズ、この二人の…

2016.2.12 「俳優 亀岡拓次」 テアトル新宿

2016.2.12「俳優 亀岡拓次」テアトル新宿 最近やたらと出ている安田顕、この映画、脇役一筋の主人公・亀岡拓次を安田が主演で演じるという虚実皮膜、しかも飲み屋の女・安曇 (麻生久美子) に純情一途な恋をするということで、人情ものでもあるのか…

2016.2.20 武満徹の命日

2016.2.20 武満徹の命日 命日コラムが続く。 2月20日は武満徹(1930~1996)の20回目の命日だった。もう20年も経つ。 先生と初めてお会いしたのは1977年である。会ったというより、見たという方が正しい。 「はなれ瞽女おりん」(1977. 監督.篠田正浩)…

2016.2.8 「さらば、あぶない刑事」 丸の内TOEI

2016.2.8「さらば、あぶない刑事」丸の内TOEI 柴田恭平、館ひろし、私と大した歳の差無し。それにしては体のキレ見事。TVを踏襲した軽いノリ、台詞も邦画にしては中々気が利いている。横浜を舞台に中国マフィア、南米組織、地元ヤクザが入り乱れて、…

2016.2.8 伊福部先生の命日

2016.2.8 伊福部先生の命日 2月8日は伊福部昭(1914~2006)の命日だった。2006年に亡くなられたので今年でちょうど10年、先生の家は神道なので「10年祭」である。一昨年が生誕100年にあたり、様々なコンサートやイベントが行われ、NHK初め多くのマスコ…

2016.2.9 「ブラック・スキャンダル」 新宿ピカデリー

2016.2.9「ブラック・スキャンダル」新宿ピカデリー NYでもLAでもシカゴでもない。ボストンのギャングの話が珍しい。実話のよう。 ボストンの貧しい下町で育った兄弟と友達、ひとりはギャング、ひとりはFBI、そして一人は上院議員、この3人が固い絆…

2016.2.16 「オデッセイ」 新宿ピカデリー

2016.2.16「オデッセイ」新宿ピカデリー 火星の基地の外での作業中、突然襲った嵐に吹き飛ばされた男ワトニー(マット・デイモン)、ロケットは傾き、このままだと発射不可能となる。決断を迫られた女性隊長ルイス(ジェシカ・チャスティン)は、ワトニ…

2016.2.15 真鍋理一郎さんの命日

2016.2.15 真鍋理一郎さんの命日 作品の感想だけに限ろうと思っていたが、ちょっとだけコラムも書くことにする。 2015年1月29日、真鍋先生は90歳で亡くなられた。先月末でちょうど一年である。 純音楽で多くの作品を残されたが、映画の音楽も200本…

2016.2.10 NHK土曜ドラマ「逃げる女」

2016.2.10 NHK土曜ドラマ「逃げる女」 TVドラマを取り上げる。このブログの趣旨に反するかもしれないが、お許しを。 NHKTV土曜ドラマ、1/9より始まった「逃げる女」。第一回は見損なった。第二回から観た。たまたまである。水野美紀主演、仲里依紗…

2016.2.5 「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」 ヒューマントラストシネマ有楽町

2016.2.5「ドリーム ホーム 99%を操る男たち」ヒューマントラストシネマ有楽町 『衣食足りて礼節を知る』という。“衣食”が足りなくても礼節を知っている人が0.0001%くらい、“衣食”が足りても礼節を知らない人間が40%くらい、あとの大半は“衣食”が足…

2016.1.27 「スター・ウォーズ フォースの覚醒」 日劇マリオン

2016.1.27「スター・ウォーズ フォースの覚醒」日劇マリオン 1977年、最初の「スターウォーズ」を観た時、巨大な宇宙船やらH型の攻撃機やらが宇宙狭しと飛び回り、こんな映像初めてだ! と口を開いて見入ってしまった。ジェダイもフォースも関係なか…

2016.2.3 「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」 シネスイッチ銀座

2016.2.3「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」シネスイッチ銀座 画家アレックス(モーガン・フリーマン)と教師ルース(ダイアン・キートン)の夫婦はブルックリンのエレベーターのないアパートの最上階(と言っても5F?) に住んで40年になる。冒頭、…

2015.12.29「母と暮らせば」丸の内ピカデリー

2015.12.29「母と暮らせば」丸の内ピカデリー 長崎に原爆が投下された。小倉が第一目標、長崎は二番目。必ず視認で投下せよという命令がされていた。小倉は天候不良、長崎も雲に覆われていた。しかし奇跡的に一瞬雲間から長崎が現れた。その偶然の…

2016.1.13「杉原千畝」日劇マリオン

2016.1.13「杉原千畝」日劇マリオン 日本のシンドラーと言われた杉原千畝の半生を描く。リトアニアの領事として本国を無視してユダヤ人難民にビザを発給し続けた話はあまりにも有名。その映画化。批判はし難い。事実が圧倒的、それ自体がドラマチッ…

2015.8.17「人生スイッチ」ヒューマントラスト有楽町

2015.8.17「人生スイッチ」ヒューマントラスト有楽町 これも昨年夏観たもののブログ開始時に文を纏めておらず、今日のアップとなった。 オムニバス映画は大体中途半端になってつまんない。これは違った。初めて絶賛のオムニバス映画である。 エピソ…

2015.8.15 「地獄でなぜ悪い」 DVD

2015.8.15「地獄でなぜ悪い」DVD 公開は2013.9.28。DVDを昨年の夏に観た。観た順を原則とするも本年1月1日の本ブログ、スタートの時点で文章を纏めておらず、本日のアップとなってしまった。時系列が乱れるがお許しを。 近年観た邦画でハチャメチャ…

2016.1.24 「ぐるりのこと」 DVD

2016.1.24「ぐるりのこと」DVD 2008年6月7日 公開。 トミー・フェブラリーと聞いて、何だこれは? と思った。カタカナ好きの音楽業界、まあ仕方ないかと思った。しかしリリー・フランキー、ケラリーノ・サンドロヴィッチという名前を知った時は腹が…

2016.1.24「ペコロスの母に会いに行く」DVD

2016.1.24「ペコロスの母に会いに行く」DVD 2013.11.16公開 数々の賞を受賞して気になっていたが見逃していた。ようやくDVDで観た。 監督の森崎東(1927.11.19生)、主演の赤木春恵(1924.3.14生)、この二人がボケていく老人の話を撮る。映画なのか現…

2016.1.21「海難1890」丸の内TOEI1

2016.1.21「海難1890」丸の内TOEI1 大島ミチルDay、2本目。 ド頭にトルコの大使?のメッセージが入る。(頭ちょい欠けで席につく) 日本・トルコの友好親善映画なのだ。 明治の中頃、和歌山沖で遭難したトルコ船を漁民が村をあげて救助したという実話…

2016.1.21「の・ようなもの のようなもの」丸の内TOEI2

2016.1.21「の・ようなもの のようなもの」丸の内TOEI2 何年ぶりかで1日2本の映画にトライ。丸の内TOEIの上下、どちらも音楽が大島ミチル。 まずは「の・ようなもの のようなもの」、森田芳光へのオマージュ。プロデューサーは三沢和子さん、監督は…

2016.1.15 「ブリッジ オブ スパイ」 Tジョイ大泉

2016.1.15「ブリッジ オブ スパイ」Tジョイ大泉 導入が圧巻である。 自画像を描く痩せた初老の男、NYブルックリン大橋の袂の汚いアパート、街のノイズが効いている。地下鉄、物静かなこの男を慌しく追うFBI、イースト川での写生、ベンチの下に貼り…

2016.1.11「恋人たち」丸の内TOEI

2016.1.11「恋人たち」丸の内TOEI 突然肉厚の男の顔がドアップで、婚姻届を出した時の喜びを語る。カメラは固定したまま。エンタメでない覚悟は出来ていたが、この導入は凄い。ダメな人はこれだけでダメだ。この映画にフォーカスするまで若干の…

2016.1.7 「マイ・ファニー・レディ」 ヒューマントラストシネマ有楽町

2016.1.7「マイ・ファニー・レディ」ヒューマントラストシネマ有楽町 ピーター・ボグダノヴィッチ監督、懐かしい名前。「ラストショウ」の監督。私の青春の1本である。 ブロードウェイのお芝居作りのバックステージをコメディーで描く。 今は映画で…

2016.1.6 「情熱のピアニズム」 DVD

2016.1.6「情熱のピアニズム」DVD 保谷北口から数分の住宅街に、こんなところにこんな店が! と驚くようなジャズのお店がある。「Hōya-Bunca」、JBLのスピーカーでアナログレコードをかける。LPレコードはどの位あるのか。週に一ぺん、そこで空気を通…

2016.1.5「黄金のアデーレ 名画の帰還」池袋シネリーブル

2016.1.5「黄金のアデーレ 名画の帰還」池袋シネリーブル かつてベトナム戦争が無かったらアメリカ映画は成立しなかったと言われた時期がある。「タクシードライバー」や「ディアハンター」の頃。同じようにナチのホロコーストが無かったら欧州映画…

2016.1.1 ブログ始めます

2016.1.1 ブログ始めます 明けましておめでとうございます。 本日よりブログを始めます。 ここ数年、映画を観ると簡単なメモを取ってきました。それに加筆して掲載することにします。 原則として、劇場で観たものを対象にします。 真っ暗であること…

2015.12.18 「007 スペクター」 Tジョイ大泉

2015.12.18「007 スペクター」Tジョイ大泉 今作のトップはメキシコ、「死者の日」の祭り。街中がゾンビ風に化粧した群衆で埋め尽くされている。それをクレーンと空撮で丸ごと収める。その中を、人をかき分けボンド。贅沢この上ない。貧しい邦画的…