映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

邦画

2015.6.18 「海街Diary」日劇マリオン  

2015.6.18 「海街Diary」日劇マリオン 原作は吉田秋生の漫画だそうな。そんなこと全く感じさせない是枝ワールド。「そして父になる」の”家族”というテーマを引き継いでいる。今回は、血は繋がっている。初めて会う腹違いの少女と、三姉妹が本当の家…

2015. 5 8「権三と七人の子分たち」丸の内ピカデリー

2015. 5 8「権三と七人の子分たち」丸の内ピカデリー たけし、ギャグが溢れ出して止まらない人だ。いくらでも湧いてくる。親分決めるのに、殺人10点、恐喝5点、詐欺3点、と点数制。それを記録する飲み屋の兄ちゃん、そのままじゃ不味いと殺人をレバ、…

2014.12.2「紙の月」丸の内ピカデリー

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2014.7.23「超高速参勤交代」丸の内ピカデリー 

2014.7.23「超高速参勤交代」丸の内ピカデリー 「春を背負って」の翌日見たせいか、映画らしい映画で、嬉しくなってしまった。ちゃんと映画になっている。娯楽映画はこれでなくては。脚本は城戸賞受賞作。 松竹は大した宣伝もせずこんなのを作って…

2014.7.22「春を背負って」スバル座 

2014.7.22「春を背負って」スバル座 木村大作、言わずと知れた日本を代表する名カメラマンである。「八甲田山」「南極物語」「駅」「鉄道員」作品歴は上げたら切りがない。その人が何年か前に自ら監督して「剱岳-点の記」を作った。ドラマ部分は板付…

2014.7.17 「私の男」 スバル座

2014.7.17「私の男」スバル座 期待し過ぎたか。 奥尻津波で天涯孤独になった少女と、それを引き取って育てる遠縁の男(浅野忠信)との話。禁断の近親相姦もの。導入のひとり取り残された少女が良い。瞬きせず、遠くを見つめ続ける、この世にひとりだ…

2014.1.27「小さなおうち」丸の内ピカデリー 

2014.1.27「小さなおうち」丸の内ピカデリー 「東京家族」なんかより遥かに遥かに良い。 淀長さんが天国で言っている。”あなたその年になってようやく粋な映画撮れたわね” その主たる原因は松たか子と音楽にあり。 昭和一桁の山の手に赤い屋根の当…

2014.1.21「武士の献立」丸の内ピカデリー 

2014.1.21「武士の献立」丸の内ピカデリー これを正月映画にする松竹はつらいなぁ。 テレビの2時間ものである。包丁侍の家に生まれた次男坊が兄の急死で家を継ぐ話。そこに町人出のしっかりもので料理上手の妻が内助の功。背景に加賀騒動。コジンマリと…

2013.12.9「利休にたずねよ」丸の内東映

2013.12.9「利休にたずねよ」丸の内東映 アバンから取り巻く兵士の数が4人位だったり、寄りばかりで何かテレビッぽい。大作と期待していたのに。とにかく寄りと顔のアップがやたらに多い。製作費が無かったのだろうか、広い絵はたまにしかない。狭…

2013.12.2 「かぐや姫の物語」日劇マリオン 

2013.12.2 「かぐや姫の物語」日劇マリオン 高畑勲監督作品のアニメ。 竹取物語とはこういうことだったのか… 誕生は偶然、親も国も時代も場所も選べない。生を受けた人間はこの地球という星の上で、自然を愛で、人を愛することを知り、同時に哀しみ…

2013.11.13「清洲会議」日劇マリオン

2013.11.13「清洲会議」日劇マリオン 信長亡き後の織田家の行く末を話し合った歴史的事実を、よくぞ集めたというオールスターキャストで喜劇仕立てにした、三谷幸喜の原作・脚本・監督そして宣伝マン作品。入りは上々のよう。しかしやはり映画ではな…

2013.11.12「ばしゃ馬さんとビッグマウス」丸の内TOEI2

2013.11.12「ばしゃ馬さんとビッグマウス」丸の内TOEI2 映画に何を求めるか、あるいはどんなものを面白いと思うか。人によっても違うし、その時の気分によっても違う。どんな時にも世界中誰が見ても面白いと思える最大公約数がハリウッド映画だとした…

2013.10.22「凶悪」ヒューマックス有楽町

2013.10.22「凶悪」ヒューマックス有楽町 後味は悪い。何のためにこの映画を作ったのか、何を訴えたかったのか、それが解らない。しかし一分のスキもなく、一気に見せる。眠気が割り込む余地無し。そういう意味で見事な映画。 極悪人・ピエール瀧…

2013.10.11 「そして父になる」 丸の内ピカデリー

2013.10.11 「そして父になる」 丸の内ピカデリー 20年後には間違いなく宇宙の塵になっている。年のせいかそんなことばかり考える。その塵が人間として再び結実するのには悠久の時が必要、「火の鳥」のような話。そう思う時、今人間としてあること…

2013.6.5「リアル~完全な首長竜の日~」有楽座

2013.6.5「リアル~完全な首長竜の日~」有楽座 先週土曜公開、入ってないと聞いた。成る程入ってない。 ド頭,トイPf、曲終わり絶妙な間で台詞、効果。完璧。綾瀬はるか、佐藤健、二人のマンションの一室。色調が抑えられていて、この空間が単純…

2013.5.14「舟を編む」丸の内ピカデリー2 

2013.5.14「舟を編む」丸の内ピカデリー2 石井裕也の初メジャー作品、多分。本屋大賞の原作。辞書を作る話。期待して見る。 期待に違わず。オタク編集者の辞書作り一途が感動を呼ぶ。 おそらく原作には言葉の面白さ、辞書作りのプロセスの面白さが…

2013.3.4「脳男」スカラ座

2013.3.4「脳男」スカラ座 頭で宗教曲のコラール。「悪の経典」(監督.三池崇史)の方は『マックザナイフ』。片やSP、片やLPだが、ともに回転するレコードのアップ。入り方は同じである。しかし、善悪の規範を持つ宗教曲と、意味のない人殺しの切…

2013.1.25「奇跡のりんご」 撮影所フィルム初号

2013.1.25「奇跡のりんご」 撮影所フィルム初号 話はあまりにありきたりである。一途な男が無農薬リンゴに挑戦し10年。失敗に失敗を重ね、家族は極貧に追い込まれる。それでも支える妻、そして幼い娘たち。遂に成功する。実話である。しかしこの種…

2012.9.26「天地明察」丸の内ピカデリー  

2012.9.26「天地明察」丸の内ピカデリー 滝田さん、満を持しての登場。役者もズラリと揃えての娯楽大作。どんなネタでも面白いエンタメに仕上げるというのが滝田。これもちゃんと娯楽大作として及第点ではある。しかし滝田の良さは出ているか。この…

2012.12.21「カミハテ商店」ユーロスペース 

2012.12.21「カミハテ商店」ユーロスペース 若い新人監督らしい。高橋伴明がプロデューサー。関根恵子主演。 「上終」でカミハテと読む、本当にある山陰の寒村、自殺の名所。そこでコッペパンと牛乳を売るおばあさん。自殺する前に誰もそこでコッ…

2012.12.11「その夜の侍」スバル座

2012.12.11「その夜の侍」スバル座 お芝居の映画化。監督が見つからず、舞台の脚本演出家が監督をしてしまったそうな。 それにしては演出は上手い。滞るところなく、自然に話しは流れる。山田孝之が見事な悪役。これ以上無いくらい憎たらしくてワ…

2012.11.19「北のカナリアたち」丸の内東映

2012.11.19「北のカナリアたち」丸の内東映 吉永小百合という女優は難しい。どうしようもなく文部省推薦キャラで汚れない。そしてあの低い声。だから彼女は合う役を選ぶべきである。あるいは強烈な、例えば市川崑のような演出家に強引に作り込まれ…

2012.10.9「東京家族」丸の内ピカデリー

2012.10.9「東京家族」丸の内ピカデリー 小津の「東京物語」を山田洋次がリメイク、3.11のショックで製作を1年遅らせて、満を持して作り上げた。 あまりの名作、あまりのレスペクトゆえ、細部に至るまで小津を踏襲、その呪縛、というかそれを敢え…

2012.9.20 「夢売るふたり」 ヒューマックス有楽町 

2012.9.20「夢売るふたり」ヒューマックス有楽町 明け方の築地あたりの遠景、この下には庶民の悲喜こもごもがある。市場で買い出しする男 (阿部サダヲ)、そこにAg 1本でゆっくりとしたブルースが被る。カッコイイ。何が始まるのか。甲斐甲斐しく店…

2012.9.19「おおかみこどもの雨と雪」シャンテ 

2012.9.19「おおかみこどもの雨と雪」シャンテ ほとんど実写としか思えないような見事な背景。しかし見事であればあるほど、どうしようもなくアニメアニメな人物との対比が際立つ。アニメ嫌いな私としては最初それがどうしようもなく気になった。し…

2012.9.4「かぞくのくに」新宿シネマアート 

2012.9.4「かぞくのくに」新宿シネマアート 北の在日の家族の物語。 16歳で北に渡り、25年ぶりに病気の治療の為に戻った息子と、それを迎える両親、妹。 かつて父は朝鮮総連の幹部として、北を信じて息子を送り出した。その息子が帰ってきた。監視付…

2012.8.20「桐島、部活やめるってよ!」丸の内ルーブル 

2012.8.20「桐島、部活やめるってよ!」丸の内ルーブル こういう話だったのだ。桐島はついに出てこない。 みんなのスーパーマン、桐島が部活をやめる、というあまりにどうでもよいことをきっかけに高校生の様々な問題が露呈する。でもそれはけっし…

2012.7.18「苦役列車」 丸の内TOEI 

2012.7.18「苦役列車」 丸の内TOEI 久々の青春一途映画。村上春樹だけが青春ではない!真っ直ぐだ。 金無い、友無い、女無い。青春なんて程度の差こそあれ、みんなそうだ。そんな日本の端っこの青春。原作は西村賢太。主人公の名前は寛多。こい…

2012.6.20「愛と誠」有楽町角川シネマ

2012.6.20「愛と誠」有楽町角川シネマ 色んな映画があって良い。色んな見方があってよい。いつ頃から私の見方はもっとも一般的当たり前な見方、つまりハリウッド的 (言葉の壁を超えて世界中誰が見ても面白いと思う) になってしまったのか。若い頃な…

2012.5.28「わが母の記」 丸の内ピカデリー  

2012.5.28「わが母の記」 丸の内ピカデリー 井上靖と母の関係を長きに渡って描いた、井上家の物語。 冒頭、湯ヶ島のわさび田が出てきて、それだけで引き込まれた。カメラがとっても良い。この映画の格調は撮影に負うところ大である。 話は1950年代…