映画と映画の音楽  by  M・I

音楽を気にしながら映画を観る、そんな雑感

2020.01.25 「地獄の花園」(2021.06.09 日比谷TOHOシネマズ)

  1. 6. 09 「地獄の花園」

ただ口開いて見る分には今年No1だったかもしれない。永野芽郁広瀬アリス菜々緒川栄李奈大島美幸小池栄子室井滋等、よくぞここまで揃えた女優陣。花のOL、その裏で繰り広げられる熾烈な派閥抗争、OL版仁義なき戦いである。

大ボス小池栄子を守る四天王、これを遠藤憲一勝村政信ら男優陣が演じる。金抜き宦官というような捻りなら解るが列記とした女、OLの役。遠藤憲一の脚は綺麗で黒いタイツがよく似合う。だけど、何故この四人だけ男に演じさせているのか? 女子プロレスにいくらでも居るではないか。アジャコング、北斗、浜口京子etc 何故男優にしたのか不可解。

脚本はバカリズムのオリジナル。そのおバカさについつい「翔んで埼玉」と比べてしまう。「埼玉」には埼玉差別を逆に笑い飛ばしてしまう、“差別“ という笑いの “根“ があった。「花園」の笑いには “根“ がない。OL同志の抗争もいいが本当の敵ははっきりしているではないか。敵は「男」、そこへ何で持っていかなかったのか。そうすれば話はもっともっと荒唐無稽に広がる。OLアマゾネスである。社長をつるし上げるのもよい、セクハラを仕掛けるのもよい、日本中のOLが大同団結して男社会に宣戦布告する!  笑いには “根“ が必要なのだ。

久々スクリーンで見る室井滋、子泣き婆のようで良い。

音楽は戦いのシーンでお決まりの様にEGでロックが流れていたような。

 

監督. 関 和亮