2017.09.05「幼な子われらに生まれ」テアトル新宿 田中信(浅野忠信) は一人娘沙織(鎌田らい樹)の親権を渡してキャリアウーマンの友佳(寺島しのぶ)と離婚した。娘と定期的には会っている。今日はその日、遊園地で観覧車に乗っている。良い関係の様だ。…
2017.08.25「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」角川シネマ有楽町 冒頭アメリカの田舎町、五つ同時にシェイク出来る撹拌機を一生懸命売り込む中年男レイ(マイケル・キートン) 。売れない。相手にされない。汗をぬぐい乍らルート66沿いを 売…
2017.08.12「砂の器 シネマコンサート」文化村オーチャードホール 「砂の器」シネマコンサートを見て来た聴いてきた。2014年7月13日「第4回 伊福部昭音楽祭」(オペラシティ―) で「ゴジラ」(1954) を全編上映・全曲生演奏した時は、まだこのスタイ…
2017.08.04「ブランカとギター弾き」シネスイッチ銀座 素朴が力になる、そんな久々の映画である。マニラのストリートチルドレン・ブランカ (サイデル・ガブテロ) と路上のギター弾きピーター (ピーター・ミラリ) の心通う物語。 母親に甘える子供…
2017.07.28「彼女の人生は間違いじゃない」武蔵野館、 大震災からもう6年が過ぎたのか。つい先日の様な、ずっと昔の様な。 みゆき (瀧内公美) は父親 (光石研) と仮設住宅に住む。母は津波で流された。遺体は上がっていない。毎日、出勤前に部屋の…
2017.07.27「ボンジュール、アン」日比谷シャンテ 映画プロデューサー・マイケル (アレック・ボールドウィン) と美しき妻アン (ダイアン・レイン)。場所はカンヌ、ちょうど映画祭が終わったという設定か。売れっ子プロデューサー、マイケルの携帯…
2017.06.19「花戦さ」丸の内TOEI 華道は僧侶の手によって始まったことを初めて知った。利休と親交した実在の人物らしい池坊専好、暴君と化した秀吉に花を活けて自戒を促したという話。本当なのか。 専好を野村萬斎が演じる。専好は花の中に仏さんが…
2017.06.09「海辺のリア」スバル座 仲代達矢が、かつては大スター、今は80の坂を超え施設暮らしをする呆け老人・桑畑兆吉を演ずる。 娘・由紀子 (原田美枝子) とその夫・行雄 (阿部寛)。かつて桑畑を尊敬し弟子だった。今は由紀子と結婚し、プロダ…
2017.07.19「甘き人生」スバル座 僕らの世代は“甘い”に弱い。“甘い”と来れば“生活”だ。背徳の匂いだ。「甘き人生」、どうしても背徳の匂いを感じる。ヴィジュアルも中年男に覆いかぶさる美女、退廃の芳醇な香り。そんな先入観の下で観た。 1960年…
2017.07.07「22年目の告白 私が殺人犯です」新宿ピカテデリー (ネタバレご容赦) 予告編で想像していたよりずっと面白かった。 時効を迎えた事件の犯人が名乗り出る。「64」はギリで犯人を逮捕した。こちらはノウノウと犯人が名乗り出る、「私が殺人犯…
2017.06.28「ジーサンズ はじめての強盗」新宿ピカデリー 歳をとってもカッコイイ。ジョー役のマイケル・ケイン、アルバート役のアラン・アーキン、増々渋いウィリー役のモーガン・フリーマン、みんな80越え、カッコイイ人はジジイになってもカッコ…
2017.06.26「佐藤勝 音楽祭」、7月30日に開催 「佐藤勝音楽祭」が開催される。 佐藤勝(1928-1999)、今更言うまでもないが、日本の映画音楽の第一人者。黒澤明を始め、岡本喜八、山田洋次、山本薩夫等の作品を音楽で支え、組んだ監督100余人、作品数…
2017.05.23「メッセージ」ヒューマックス渋谷 初めに言葉有りき。 十二使徒が言葉を武器に世界に遣わされる。 言葉はコミュニケーションのツールであると同時に武器となる。言語で認識は異なってくるらしい。思考方法も違ってくるという。確かにそ…
2017.05.29「美しい星」シネリーブル池袋 三島由紀夫の原作。荒唐無稽なSF、それを吉田大八が監督するとのことで期待した。冷戦時代の原作を今に合うよう、相当手を入れたそう。 主人公の気象予報士をリリー・フランキーが演じる。当たらないが売り…
2017.05.25「夜空はいつでも最高密度の青色だ」新宿ピカテデリー 東京の美しい夜景、その下で繰り広げられる小奇麗な恋愛、巷はそんな恋愛で満ち溢れている。映画だってそんな「恋愛もの」と「泣けますもの」ばかりだ。でも小奇麗からはじき出され…
2017.05.18「カフェ・ソサエティ」みゆき座 NY育ちの若者ボビー (ジェシー・アイゼンバーグ) が成功した叔父のフィル (スティーブ・カレル) を頼ってハリウッドへ行き、そこで出会ったヴォニ― (クリステン・スチュワート) に恋をするも、彼女はフィ…
2017.05.11「追憶」新宿ピカデリー しっかりした脚本、的確な演出、詩情溢れる撮影、人気者を適材適所に配したキャスティング、役者たちの熱演、映画をフィルムで撮影していた頃の落ち着きと格調を持つ作品である。(今、映画はVTRで撮影しそれをフ…
2017.05.08「無限の住人」丸の内ピカデリー 三池ワールド全開。アバンでキムタクが無限の住人になった経緯がモノクロで語られる。コントラストを利かせた画面が黒澤時代劇を彷彿とさせる。「十三人の刺客」(2010) 以来、僕は黒澤時代劇を継ぐ者は三…
2017.05.02「午後八時の訪問者」ヒューマントラスト有楽町 フランスの地方都市 (?) の小さな診療所の若き女医ジェニー( (アデル・エネル) 、男の研修医と二人だけで運営する。怪我から心臓から認知症から、ありとあらゆる患者を診る。お金を持って…
2017.05.07「草原の河」岩波ホール チベット遊牧民の家族を淡々と描く。父、母、幼い娘、間もなく妹か弟が生まれようとしている。行者様と呼ばれる祖父と父は仲が悪い。 羊の群れと共に高原を移動する。乳離れをし切れていない少女は弟か妹が出来る…
2017.03.31「バンコクナイツ」テアトル新宿 昔、「ダウン バイ ロウ」を見た時と同じ衝撃だった。音楽の使い方である。映画の内容は全く違う。音楽の種類も違う。でもどちらもいわゆる劇伴ではない、独立した楽曲。それをぶっきら棒に充てている。…
2017.04.25「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」日比谷シャンテ 1963年、ケネディ暗殺。動転するジャクリーヌ・ケネディ (ナタリー・ポートマン) の葬儀までの日々を追う。但し動転をそのまま映画にしたので、時系列は飛び、その都度の連想…
2017.04.20「パッセンジャー」日劇マリオン 漆黒の宇宙にただ二人取り残された、絶対孤独の哲学的SFを期待していたが見事に肩透かしを喰った。 5000人の宇宙移住者を乗せた宇宙船が彼の地を目指す。到着には120年掛かる。みんな冬眠状態で運ばれ、…
2017.04.04「ムーンライト」日比谷シャンテ マイアミの黒人スラムに住む孤独な少年、母はヤク中母子家庭、おまけにゲイらしい。それをタネにイジメられる。どこにも居場所のない少年の成長の物語。 本名はシャロン。小さい頃は ”リトル” と呼ばれ、…
2017.02.06「マグニフィセント セブン」新宿ピカデリー 「七人の侍」「荒野の七人」のリメイク。それにしても「マグニフィセント セブン」というそのままタイトルはいかがなものか。でも確かに上手いタイトルが浮かばないなぁ。 デンゼル・ワシント…
2017.03.28「わたしは、ダニエル・ブレイク」ヒューマントラスト有楽町 ダニエル (デイブ・ジョーンズ) は熟練の大工、60歳位、妻に先立たれ子供はいない。地道に働いてきたが心臓病と分かり、医者から働くことを禁じられる。そこで支援手当の申請…
2017.03.21「たかが世界の終わり」ヒューマントラスト有楽町 題名につられて見てしまった。有名な監督らしい。カンヌで賞を取ったことも後で知った。 冒頭の深い闇。効果音がFIしてそれが夜の機内であることが解る。いかにもな思わせぶり。思わせぶ…
2017.03.17「ラ・ラ・ランド」日比谷シャンテ ハリウッドへ向かうハイウェイは夢を抱えた若者の車で大渋滞である。カーラジオから流れる音楽のコラージュが凄い。クラブDJもビックリという巧みな繋ぎで何曲並べているのか分からない。エンドロール…
2017.03.10「愚行録」丸の内ピカデリー 冒頭、夜の混んだ乗り合いバスの中、座っている妻夫木にお節介なオヤジが、脇に立つ老婆に席を譲れと促す。カットは中途半端に長い。しかも手持ち。今風メリハリの演出とは違う。導入としては絵的なインパク…
2017.02.20 「武満徹 21回目の命日」 (1996年1月? 2月? あるいは1995年12月か…) 武満先生から突然電話が入った。びっくりした。 “武満です” 一瞬分からなかった。 「燃える秋」や「乱」のサントラ以来お付き合いは続いていたが、気軽に電話を頂く…